Steinberg Media Technologies GmbH

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音が生き生きするトランス効果

ギタリストが行う音作りといえば、ギターのチョイスからエフェクトストンプの調整、その後アンプの調整、そしてキャビネットのチョイス、といったように一般的にギターからキャビネットまでとなります。

ところがプロ仕様のレコーディングスタジオではスピーカーキャビネットから出た音が100%そのまま収録される事はあまりなく、集音用のマイキングはもちろん、ミックスコンソールのチャンネルストリップやマイク用ヘッドアンプ、イコライザー、コンプレッサー等のアウトボードの調整といったレコーディングエンジニアが行う工程を通ってからハードディスクやテープに記録される事が多いものです。

「ギタリストが出した音=素材をプロのエンジニアがレコーディングするために最適化する」そんなイメージですね。 中でも Rupert Neve 氏が手掛けたマイクプリアンプやイコライザーがプロのレコーディングで使われる事はとても多く、その艶やかさや "音楽的な" 音質は世界中のエンジニアやミュージシャンから今でも愛され続けています。通すだけで特別な質感になる魔法の様な効果はそのトランス(変圧器)に多くの秘密があるのでは? と筆者は考えます。

Rupert Neve Designs 社製トランス内蔵インターフェース

今回紹介した Steinberg の UR-RT4 には Rupert Neve Designs 社製のトランスが内蔵されています。その効果は筆者がプロ仕様のレコーディングスタジオで体験した、「あの」実機を通した感じを彷彿させるかなり魅力的なものでした。

もちろんプロのレコーディングエンジニアが行う絶妙なゲインの調整やイコライジングを我々ミュージシャンが行うにはかなりの訓練が必要になってくるのですが、スイッチ一つで Rupert Neve 氏のトランスならではの質感が確実に得られるのは、セルフレコーディングを行うミュージシャンにはうってつけかと思います。

ハードがプラグインに勝るところ

とても優秀なプラグインソフトも多く存在しますが、CPU ベースのレコーディング時につきまとう問題=レイテンシーを気にせずストレスなくレコーディング出来るのは、まさしくハードウェアならではの強みですね。ハードにしか出せない絶妙な倍音や艶があるというのも、プロがハードを使う理由のひとつです。商用で出回っている音源でこういったハードを通っていないものはないといっても過言ではないでしょう。

演奏動画での音質比較

今回の動画ではクリーントーンとディストーションの音を使い、トランスを通す事で得られる効果を実感していただけると思います。特に絶妙な倍音が付加された艶やかさや一種の高級感を加えたような効果には是非ご注目ください。

鈴木 健治 - ギタリスト / ギターサウンドデザイナー

Line 6 Japan の公式サイトにて、「鈴木健治のギターレコーディングマスタークラス」連載。マルチエフェクターのファクトリープリセット作成。ディストーションペダルのサウンドプロデュース。sleep freaks ウェブサイトにてギターアンプシミュレーターの動画や記事の作成。
Media Integration サイトにて「鈴木健治の BIAS シリーズを使いこなそう」連載。DVD「鈴木健治直伝! ギター宅録メソッド ~ギターレコーディング匠の技と EDIT 法~」発売。

ライブ / レコーディング
Erykah Badu, 宇多田ヒカル, SMAP, V6, MISIA, BoA, EXILE, 倖田來未, 安室奈美恵, 坂本 真綾, ケツメイシ, 島谷ひとみ 他、沢山のアーティストの作品やライブ等に参加。

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鈴木健治 | ギター宅録のススメ