Steinberg Media Technologies GmbH

Creativity First

Frankenstraße 18 b
20097 Hamburg

Tel: +49 (0)40 210 35-0
Fax: +49 (0)40 210 35-300

Goh Hotoda が語る WaveLab Pro 9

マドンナ、ジャネット・ジャクソン、デイヴィッド・サンボーン、宇多田ヒカル、松任谷由実など、多くのトップアーティストの作品を手がけてきた世界的エンジニア / プロデューサー、Goh Hotoda さん。レコーディング&ミックスエンジニアとして知られる Goh さんですが、最近ではその魔法とも言える "音のトリートメント技術" に信頼を寄せるアーティストからの依頼で、マスタリングの仕事も多く手がけています。そんな Goh さんがマスタリングソフトウェアとしてセレクトしたのが、Steinberg WaveLab。バージョン7から愛用しているという Goh さんにとって、今や無くてはならないツールの一つになっています。多忙を極める Goh Hotoda さんに、最新の WaveLab Pro 9 の印象について話を伺いました。

WaveLab は2012年、バージョン7 から使い始めました。知り合いからマスタリングを依頼されることが増えてきたので、専用のソフトウェアを入れてみようといろいろ調べてみたんですよ。そうしたら WaveLab を使っているスタジオが多かったので、これがいいかなと思い導入を決めたというわけです。最初は Pro Tools と勝手が違ったので少々戸惑ったのですが、すぐに使い馴れましたね。以降、ミックス用の Pro Tools と同じ Mac に入れて愛用しています。Pro Tools と Macを分けてもいいと思うんですが、同じコンピューターだとプラグインを共有できるのが便利なんですよ。それにファイルのやり取りもスムースですしね。Pro Tools と WaveLab を同時に立ち上げて比較試聴することもありますよ。

新しい WaveLab Pro 9 は、ユーザーインターフェースのデザインが変わって、これまでよりも見やすく、各種設定がやりやすくなった印象ですね。バージョン9 の目玉機能の M/S (Mid/Side) 処理もこれから重宝しそうです。Brainworx のプラグインで一般的になった M/S 処理ですが、エンジニアにとっては昔からある古典的なテクニックの一つなんですよ。ぼくは70年代から使っていましたが、当時は今のように便利なツールは無かったので、左右の音を一旦パラにし、一方をフェイズ・キャンセルしてセンターの音を作っていましたね。本当に M/S ステレオでやりたいときは、最初からマイクを M/S 方式で録ってしまったりとか。M/S シグナルを処理として使うと、左右をクッと広げたり、真ん中だけを少し落としたり、音像のコントロールが自由にできるようになるんです。最近のアメリカの作品で、レンジがグワッと広がっているものがあるじゃないですか。ああいった作品の殆どが M/S 処理によるものでしょうね。WaveLab Pro 9 では、そんな M/S 処理がホストアプリケーションレベルでできるようになったのがいいですね。ただし M/S 処理は音量や音圧が変わってしまうので、マスタリングで使うには注意が必要なんですが、WaveLab Pro 9 では M/S 処理がオーディオモンタージュ全体だけではなく、クリップ単位で処理をすることもできますしね。通常のプラグインを M/S 処理で活用できるというのも便利そうです。

新しく加わった MasterRig もこれから試してみたいと思っています。モジュールに EQ やリミッターだけでなく、サチュレーターが用意されているのもおもしろいですね。これによってサチュレーターをマルチバンドで使うことができる。実はマルチバンドのサチュレーターって、凄く使いでがあるんですよ。例えばステレオのシンセパッドとかで、ハイだけを微妙に上げたいときってありますよね。そこで EQ を使ってしまうと、レベルや位相まで変わってしまうじゃないですか。しかしマルチバンドサチュレーターを使うと、倍音だけをコントロールできるので、きれいにハイだけを持ち上げることが可能になりました。さらに M/S MODE で使えば、サイド・ハイだけを持ち上げたりもできる。特にダンスもののシンセパッド等は、無闇に EQ せずにサチュレーターを使ってコントロールした方がいいですよ。

ぼくはミックスで完全に音を作ってしまうので、WaveLab では基本ファイルを並べるだけなんですが、これだけ機能が充実してくると、今後は WaveLab 側で音をいじるというのも十分アリかもしれませんね。最近はマスタリングスタジオでの作業を覗いても、昔のようにアナログ一辺倒ではなく、デジタルでいろいろ処理しているのを見ますから。最近、自分のスタジオもマスタリング仕様にリニューアルしたので、これからじっくり試してみたいと思います。


Goh Hotoda official website


WaveLab Pro 9

M/S 対応、MasterRig、GUI のリフレッシュなど一段とパワーアンプした WaveLab Pro 9 について、詳しくはこちらから。

WaveLab Pro 9 製品ページ

Goh Hotoda インタビュー(2014)

世界の Goh Hotoda が語る、WaveLab と現代のマスタリング術 〜 実際のワークフローや WaveLab 8 について、詳しく語ってくださいました。

Goh Hotoda インタビュー (2014)