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"じゅうでん"、"ゆんぼ"、"しゅんいち" の3名で構成される日本人若手トラックメーカーチーム『Pa's Lam System』。彼らの生み出すポップかつキャッチー、そしてクラバーを熱狂させるハイクオリティーなダンスミュージックは、国内外を問わず高い評価を得ています。最近では、国内のみならず米国でのイベントやメディアなどにも出演を果たすなど、その活動の幅を大きく広げています。本インタビューでは、今もっとも注目したいアーティスト、リミキサー、DJ である Pa's Lam System にフォーカスし、そのサウンドのコアとなっている DAW ソフトウェア Cubase を使った制作手法や、普段あまり語られることのないメンバー同士の関わりなど、Pa's Lam System の魅力と秘密に迫ります。

地元の音楽好きが集まったバンドが "パズラム" の原点

- 神奈川県を拠点としながら、世界で注目される Future Bass サウンドを生み出す『Pa's Lam System』は、どのような経緯で結成されたのですか?

よくある中学、高校に時代に組んだバンドが、僕らが音楽作りに初めて触れた最初の体験でした。現在のメンバー3人を含む高校時代に組んだバンドが、Pa's Lam System としての原点ですね。(じゅうでん)

それぞれが、学校の部活でバンドを組んでいたのですが、オリジナル曲をやろうということで、地元の友達である僕とじゅうでん、そしてじゅうでんの高校の同級生であるしゅんいちを含むメンバーが集まりました。(ゆんぼ)

- 結成当時は、バンド形態ということで、皆さんも楽器を担当されていたのですか? また、音楽的にはどのようなジャンルの音楽を演奏されていたのでしょう?

最初にバンドを始めたころは、ギターやベースも演奏していましたが、現在はまったく弾かなくなってしまいました…。ちなみに、僕とゆんぼはギター、しゅんいちはベースを担当していました。当時プレイしてたジャンルは、ハードコア、ノイズ・アヴァンギャルド、ニューウェーブ系の楽曲です。それから、僕の兄が聴いていた音楽の影響もあり、徐々にトランス、エレクトロといったクラブミュージック全般にハマッていった感じですね。(じゅうでん)

- では、初期のバンド形態が、現在の Pa's Lam System のサウンドや、制作スタイルへと、移行されたキッカケなどがありましたら、教えてください。

最初は、バンドにドラマーがいなかったので、当時兄が使っていた PC でリズムの打ち込みを始めたんです。僕が、Cubase で打ち込んだドラムパートに合わせて、バンド演奏するようなスタイル。その後、僕らの音楽の趣向などがクラブミュージック主体に変化していくと共に、打ち込み系のシンセサウンドなどの割合も自然と増えていきました。(じゅうでん)

クラブミュージックに傾倒するようになった大きなキッカケは、やはりメンバー全員で遊びに行った、初のクラブイベントだったと思います。みんな現場で刺激を受けて、僕らもこういう音楽を作ってみようと意識するようになりました。"じゅうでん" のお兄さんに連れていってもらったのですが、いろいろお兄さんからの影響は大きいですね。(しゅんいち)

レコーダー感覚の Cubase が作曲ツールとしても活躍

- "じゅうでん" さんが、Cubase を使い始めたのはお兄さんの影響とのことでしたが、最初に Cubase に触れられた際の第一印象はいかがでしたか?

最初に Cubase に触れたのは、バンド形態で活動していた頃だったので、単純にドラマーが居なくてもリズムが演奏できるし、便利で高機能なレコーダーとしての印象の方が強かったですね。テープベースのマルチトラックレコーダーと違って、何回録音しても音質も劣化しないですし、演奏を間違っても一部分だけキレイに修正できるとか、僕らにとっては、まさに夢のようなレコーダーでした!(じゅうでん)

- "ゆんぼ" さん、"しゅんいち" さんも、同時期に Cubase を使い始められたのでしょうか?

Cubase は、"じゅうでん" が一番最初に触っていたし、当時僕としゅんいちは DAW 環境が無かったので、最初は彼の部屋に集まって、アレやコレやと皆で話し合いながら曲作りをしていました。今でも大体同じなんですが(笑)それからしばらしくして、僕も Cubase を導入することにしたんです。やはり自室でも触れると便利そうだなぁと思いまして。(ゆんぼ)

僕も、Cubase を導入したのは、"ゆんぼ" とほぼ同時期でした。メンバー間で、同一のデータをそのまま共有できるという意味でも、3人の DAW 環境が Cubase に統一されているのは非常に便利ですし、自分や他のメンバーが作った曲も、変換など一切不要でプロジェクトデータのままやりとりできますからね。(しゅんいち)

とはいえ、メンバー同士が近所に住んでいることもあり、曲の骨組みができてきたら、みんなで家に集まって話し合いながら曲を仕上げていきます。(じゅうでん)

- 最初は、レコーダーとして活用されていた Cubase ですが、その後どのように作曲ツールとして活用されていくことになったのでしょうか?

僕らが、制作する楽曲のジャンルが、シンセサイザーなどの打ち込みを多用したクラブミュージックへと変化したことで、Cubase をメインの制作ツールとして使用する時間も必然的に増えていきました。今では、メンバー全員とも作曲や編曲の作業に Cubase はなくてはならない大きな存在となっています。曲作りは、PC の前で作業するのが当たり前ですし、ギターや MIDI キーボードから録音するより、マウスでのデータ入力のほうが速いですね(笑)。(じゅうでん)

Cubase でのよりシームレスなデータ互換の実現に期待!

- Pa's Lam System といえば、日本の代表的なインターネット音楽レーベルである "MaltineRecords" からのリリースを思い浮かべる方も多いと思うのですが?

MaltineRecords からのリリースをきっかけに、僕らの楽曲をより多くの人に知っていただくことができ、tofubeats をはじめ、多数のアーティストやクリエイターとのコラボレーションの機会を得ることができました。さらに BBC Radio1 をはじめ、たくさんの海外ラジオ局や、NEST HQ、Pitchfork といったメディアでも取り上げていただくなど、さらに活動の範囲が広がったことことはたしかですね。(ゆんぼ)

- ファンのみならず、クラバーのアンセム的ビックチューンともなっている「I’m Coming」(2014年5月リリース)などの制作も、すべて Cubase で行われてるのですか?

「I’m Coming」に限らず、僕らの楽曲はすべて Cubase で制作しています。「I’m Coming」の曲中にも聴くことができる、カットアップなどを用いたフレーズ作りも、すべて Cubase のハサミツールで波形を細かく裁断してから自分たちで並べ替えています。プラグインやツールなどを使うより、そのほうがより直感的に作業でき、自分たちの中にあるイメージを具現化しやすいのです。(じゅうでん)

- お三人は、最新バージョンの Cubase についてどのようなご感想をお持ちですか?また、今後欲しい新機能などございましたら、ぜひ教えてください。

まだ、実際に最新の Cubase Pro 8.5 を、よく試せていない状態ですが、「Retrologue 2」のサウンドは一聴しただけでも、とても芯のある図太いサウンドで、いろいろなシチュエーションで活躍してくれそうですね。また、クラウドコラボレーションシステム「VST Transit」も、非常に興味をそそられるものがあります。メンバー間の楽曲データの共有や共同作業に、ぜひ将来的には活用してみたいです。(じゅうでん)

インプレイスレンダリング機能のおかげで、僕らの DJ プレイに欠かせないステムデータの書き出しなどは劇的に作業効率が向上しましたが、データの共有などを行う際にもさらに便利なように、ユーザーが所有するプラグインやソフトウェアシンセサイザーに関係なく、制作途中のデータをもっとスマートに共有できるようになるとうれしいですね。(ゆんぼ)

メンバー同士でお互いのデータをやりとりした際に、「あれ?僕はこのプラグイン持ってないやぁー」ってことがあって、ときどき残念な思いをすることがありますし、確かにそれが実現したらかなり便利そうですね!(しゅんいち)

- それでは、最後に Pa's Lam System の今後の活動予定と、ファンの方々へのメッセージをお願いいたします。

8月18日に「TWISTSTEP」をリリースしましたが、今後さまざまなクリエイターとのコラボレーションや、リミックス作成などにも積極的に取り組んでいく予定なので、ぜひとも期待していただければ幸いです。さらに、DJやライブも精力的に行っていきたいと思いますので、ぜひ皆さんクラブに遊びにきてください。これからも Pa's Lam System をよろしくお願いします!(じゅうでん)

Pa's Lam System(パズラムシステム)

 

神奈川県在住の3 人組トラックメーカーユニット。

2012 年よりハイクオリティーかつ、キャッチーなダンスミュージックをジャンルを横断しながら制作し続けている。
2014 年5 月にフリーダウンロードでリリースされた楽曲「I’ mComing」は国内の DJ だけでなく、海外の DJ 達にも広がり高い評価を得た。

Porter Robinson といったポスト EDM トラックメイカーによるサポート、BBCRadio1 をはじめとする国内外有名ラジオ局での放送や、Skrillex 傘下の WEB メディア NESTHQ、世界中に影響力を持つアメリカのインディ系音楽情報 Pitchfork といった各種メディアでも紹介されるなど、日本を拠点としながらもグローバルな注目を集めている。

リリース情報

 

初のデジタル配信リリースとなる「TWISTSTEP」は彼らの特徴であるカラフルなポップさとダンスミュージックのエネルギッシュな要素を詰め込んだキャリアの集大成的な楽曲である「TWISTSTEP」と、フロアに直撃する4 つ打ちアッパーチューン「E.I.C」を収録。
さらに国内外の大型ダンスミュージックフェスでの活躍も著しい「banvox」と、アンダーグラウンドネットクラブシーンのドンである「国士無双」によるリミックスも収録。

ダンスミュージックファンならば、今絶対に聴くべき作品に仕上がっている!