Steinberg Media Technologies GmbH

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作曲家、編曲家、プロデューサー、キーボーディスト、DJ など多様な顔を持つ気鋭のクリエイター、DÉ DÉ MOUSE さん。4月12日には、ファン待望となる通算6枚目のアルバム『dream you up』をリリースし、アーティストとしてもさらなる注目を集めています。本インタビューでは、今回のニューアルバムはもちろんのこと、同氏がコンピューターで音楽制作を始めた当初から現在に至るまでシステムのコアとなっている DAW ソフトウェア Cubase について、その魅力やオススメ機能、活用テクニックなどたっぷりと語っていただきました。

打ち込み作業をゲーム感覚で楽しみながら楽曲制作も学んだ!

- DÉ DÉ MOUSE さんが、はじめに音楽に興味を持たれたキッカケや、音楽作りに目覚めた時期などについて教えてください。

きっと、小学生時代に「漠然と目立つようなことしてみたい!」と思ってバンドのボーカルに憧れを持ったのが、音楽に興味を持った最初のキッカケですかね。その後、中学生の頃になるとちょうどバンドブームがやってきて、友達が学校にピックを持ってきているだけでもカッコよく見えたり(笑)。そんな影響もあり家にあったアコースティックギターを弾き始めたのが、初めての楽器経験ということになります。と、ほぼ同時期に当時テレビで再放送されていたアニメのエンディングテーマとして、TM NETWORK の「Get Wild」を耳にし、そのアーバンなデジタルサウンドに強い憧れを感じたのです。ロックバンド全盛の時代にあっても、個人的にしっくり肌に馴染むというか、聞いていて落ち着くのは歪んだギターのサウンドでなく、ダンサブルでポップなサウンドでした。

 

- アコースティックギターから楽器を始められて、シンセサイザーなどのデジタル楽器に興味を持たれるようになったのも、同じ頃なのでしょうか?

TM NETWORK や、当時流行し始めたレイヴサウンドなどを聞いているうちに、やはり家にあったキーボードを自然と弾くようになっていました。中学3年生のころには、スコアブックなど見ながら独学で鍵盤演奏の練習や作曲などを楽しんでいたのですが、それから徐々にシンセサイザーなどに興味が移っていった感じでしょうか。とはいえ、ミキサーもシェイカーも同じカタカナ(笑)!? くらい、まったく専門知識がない一般的な中学生だったので、デジタル楽器についても「なんかスゴイことができそう!格好いいな」といった漠然とした憧れのほうが当時は強かったですね。

- シンセサイザーを使った本格的な曲作りや音作りに取り組まれるようになり、ダンスミュージックなどを中心に音楽制作されるようになったのは、ご自身が高校生の頃ですか?

そうですね! 高校2年生になって初めてシンセサイザーを購入し、本格的な曲作りや音作りなどを行うことになりました。シンセサイザーのシーケンサーに打ち込んだフレーズを、サンプラーのように鍵盤でトリガーする機能があって、かなり独自の使い込み方をしてましたね。それがダンスミュージックの基本ともなるループやブレイクビーツ、打ち込みなどの概念を学ぶのにも非常に役立ちました。好きな曲をコピーするために、ゲーム感覚で打ち込み作業しているうちに、アンサンブルやアレンジといった知識も、楽しみながら自然と身についた感じ。また、高校時代に初めて聞いたエイフェックス・ツインの楽曲は、自分の中でも音楽の概念がすべて吹き飛ぶようなインパクトで、その後のミュージシャンとしての自分の方向性にも影響を及ぼす大きな存在となりました。

2年間ひたすら Cubase で曲を作り続け音楽と向き合う日々

- 高校時代までは、ワークステーションタイプのシンセサイザーで制作をなさっていたとのことですが、DAW ソフトウェア Cubase にメインのシステムを移行された理由について教えてください。

ワークステーションタイプのシンセサイザーからの、パソコンと Cubase を中心とした制作環境に移行したのは、専門学校を卒業して20歳の頃にお世話なっていたレコード会社のディレクターさんに、「これからは PC 1台で音楽を作る時代だ!」と強く薦められたのがキッカケですね。当時から音楽のお仕事も多少していたのですが、そこから約2年間はほぼニート状態で、ひたすら Cubase で曲を作り続け音楽の向き合う日々を送りました。おかげで身につけた知識やノウハウ、Cubase の活用方法などは今でも自分の中で役立っています!

- 初めて Cubase で音楽を制作された際の第一印象はいかがでしたか? ワークステーションからの移行に問題などございましたか?

僕は、当時からいつでもどこでも音楽を作りたいという欲求が強かったのですが、PowerBook (Mac) と Cubase さえあれば、ベッド上だろうとキッチンだろうと、場所を選ばずに音楽作りを行えるのが、本当に画期的で革新的な制作環境だと感じました。さらに、オーディオ録音や編集機能、VST プラグインによる音源やサンプラー、エフェクトなど、パソコン1台で問題なく扱えるようになってきたのもちょうどこの時期でしたので、シンセサイザーからのシステム移行の苦労もありましたが、まさに僕が待ち望んだ自由度の高い制作環境が現実のものになった嬉しさや楽しさが一番印象に残っていますね。それから現在に至るまでずっと Cubase を使い続けていますし、僕の曲作りには欠かせない存在です。

- DÉ DÉ MOUSE さんといえば、ポップかつロジカルなメロディと、民族音楽をベースとした独創的なボーカル・カットアップが楽曲のシンボル的存在ともなっていますが、そのアイディアの原点についてお聞かせください。

当時、"Prefuse 73" というスコット・ヘレンのユニットが流行していて、そのサンプラーを使ったヒップホップサウンドが、エレクトロミュージシャンの間でも大人気だったんです。同じようなサウンドが巷に氾濫しているのを聞いて、「ならば、僕はメロディーにサンプラーサウンドを使って人とは違ったことをしてやろう!」と着想したのがアイディアの原点です。また、なぜ民族音楽なのかと問われれば、たまたま手元にあったのが民族音楽の CD だったというのが真実であったりするわけです。ご期待にそえるようなドラマチックな理由でなくて申し訳ありません…(笑)。最初は、サンプラーを使って切ったり貼ったりといった作業をしていましたが、Cubase の導入とともにオーディオ編集機能と HALion によるエディットを行うようになりました。実は、民族音楽をベースとし再構成したメロディーを採用し初めて作った曲は、「east end girl」というミニアルバムに収録された「rats walks my forehead slowly」だったりします。

Cubase の MIDI データの入力や編集機能は使いやすく秀逸!

- ユニークなボーカル・カットアップなどのエディットは、具体的にどのように行われているのでしょうか?

ボーカルのカットアップは、まず WaveLab を使って波形を細かくカットします。それから、編集済みのデータを個別に HALion にアサインして、MIDI キーボードからトリガーするスタイルをとっています。これは個人的な慣れの問題も大きいですが、HALion のサンプラー機能は非常に明解で便利! なお、まだ触れていないのですが、Cubase Pro 9 で搭載されたサンプラートラック機能にはとても興味があります。通常のサンプラーとはまた違った活用方法も考えられそうですし、今後の僕のワークフローにも影響を与えるかもしれません。

- DÉ DÉ MOUSE さんがよくお使いになる Cubase の機能やオススメの機能などございましたら、ぜひ教えてください。

特別な使い方はしていませんが、あえていうなら Cubase の MIDI データの入力や編集機能はとてもよく考えられており秀逸だと思います。ボーカルのカットアップはもちろん、他のパートに関してもオーディオでなく、あえて譜面に起こして MIDI データとして打ち込むことで、より音楽的で詳細なコントロールが完全に行えるといったメリットもありますしね。だから、僕にとって MIDI トラックの扱いやすさはとても重要なんです!

- それでは最後に、4月12日にリリースされましたニューアルバム『dream you up』や、今後の活動予定などについてコメントをお願いします。

もちろん、ニューアルバムも全編すべてが Cubase により構築されています(笑)! 今回のアルバム『dream you up』では、"架空 SF アニメの若いパイロット達の間で話題のヒットミュージック" をテーマとして、コックピット内のラジオから流れてきそうな全11曲のダンスミュージックをラインナップしました。80s / アーリー90s を感じるようなノスタルジックなサウンドと、DÉ DÉ MOUSE としての原点回帰的なサウンド、そして最新のリズムやフレーズで構成されたトラックは、より幅広いリスナーの方々に楽しんでいただけるはず。ぜひ、車内やクラブなどで大音量で聞いて欲しいですね! 「もし、80年代にインターネットがあったら、きっとこんな音楽が流行っているんじゃないかな!」と空想を広げながら制作しました。また、11曲目の「pump it up (feat. Anamanaguchi from NY)」という楽曲では、ニューヨークのチップチューンバンド Anamanaguchi とのコラボレーションも実現しており、まさに現在進行形の DÉ DÉ MOUSE のすべてを感じていただけるアルバムとなっています。さらに、アートワークは映画「ベイマックス」のコンセプトデザインなどを手掛けたデザイナー "コヤマシゲト" さんに担当していただいており、よりいっそう今回のアルバムを盛り上げてくれています。

なお、4月28日からは、東京・代官山のクラブ「UNIT」でのワンマンライブを皮切りに、完全バンドスタイルで4年ぶりの全国ツアーも行う予定ですので、ぜひ皆さんにもニューアルバムのサウンドを、ご自身のカラダ全体で体感していただけると嬉しいです!

DÉ DÉ MOUSE

遠藤大介によるソロプロジェクト。
作曲家、編曲家、プロデューサー、キーボーディスト、DJ。また、自身の曲のプログラミングやミックス / マスタリング、映像と多方面に活動し、他作品のプロデュース / 楽曲提供 / remixも行う。
メロディカットアップの手法とキャッチーで不思議なメロディ / 和音構成は、国内外問わず多くのフォロアーを生み、以降のシーンに一つの発明とも呼べる功績をもたらす。
トラックメイカー / プロデューサーとしてのライブの追求にも早い段階から積極的であり、2008年からはバンドを従え、フジロックやタイコクラブなど、毎年多くのフェスやイベントに出演。バンドシーンとクラブシーンの枠組みを超えた縦横無尽なライブパフォーマンスは人々を魅了し続ける。

dream you up

DÉ DÉ MOUSE 2017.4.12 6th フルアルバム
2,200円 (tax out) / NOT0015 / not records

01 get you back
02 face to face
03 bent
04 dream you up
05 chase after chase
06 rock you up
07 as you like it
08 flesh! + blood
09 whimsy love
10 hand on your hand
11 pump it up (feat. Anamanaguchi from NY)

dream you up trailer - soundcround
dream you up - special site

dream you up tour 2017

  • 4/28 (金) 東京・代官山 UNIT
    前売り 3,800円 (D別) / (問) SMASH 03-3444-6751
  • 4/28 (金・深夜) 東京・代官山 UNIT
    主催イベント "not" 開催
    ACT : DÉ DÉ MOUSE / Daito Manabe / UKI SATAKE (9nine) / Pa’s Lam System / Chip Tanaka / DATS / Quarta 330 / HVNS / CICADA
  • 5/1 (月) 仙台 enn
    前売り 3,500円 (D別) / (問) enn 022-212-2678
  • 5/5 (金) 札幌 DUCE
    前売り 3,500円 (D別) / (問) WESS 011-614-9999
  • 5/11 (木) 広島 Club Quattro
    前売り 3,000円 (D別) / (問) 広島Club Quattro 082-542-2280
  • 5/12 (金) 大阪・心斎橋 CONPASS
    前売り 3,500円 (D別) / (問) グリーンズ 06-6882-1224
  • 5/13 (土) 名古屋 Club Rock’n Roll
    前売り 3,500円 (D別) / (問) ジェイルハウス 052-936-6041
  • 5/14 (日) 横浜 LANDMARK HALL
    前売り 3,500円 (D別) / (問) MICE ENTERTAINMENT 03-4296-2143
  • 5/19 (金) ~ 21 (日) フランス
    「マニフィックソサイエティ」出演 (solo set)
  • 5/26 (金) 京都 CLUB METRO
    前売り 3,500円 (D別) / (問) 京都メトロ 075-752-4765
  • 5/27 (土) 岡山 hoshioto 2017 出演
  • 5/28 (日) 富山 MAIRO
    前売り 3,000円 (D別) /  (問) 富山MAIRO 076-445-1181
  • 6/2 (金) 福岡 VOODOO LOUNGE
    前売り 3,500円 (D別) / (問) BEA 092-712-4221
  • 6/3 (土) 沖縄 OUTPUT
    前売り 3,000円 (D別) / (問) Output 098-943-7031

tour trailer - YouTube
dream you up tour 2017 TOTAL INFO: dedemouse.com