Steinberg Media Technologies GmbH

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夢眠ねむ(でんぱ組.inc)、愛乙女☆DOLL、Luce Twinkle Wink☆、丸山夏鈴、RYUKYU IDOL、神宿、じぇるの!、Chu☆Oh!Dolly などなど、多くのアイドルに楽曲を提供している CHEEBOW さん。ライブアイドルの世界では知られた作家の一人ですが、実は本職はコンピュータープログラマーで、土日だけアイドルソング作りに勤しむ "週末音楽家" なのです。

そんな CHEEBOW さんが愛してやまない作曲ツールが、Steinberg Cubase Pro。CHEEBOW さん作曲のアイドルソングはすべて、Cubase Pro とお気に入りのソフトウェアインストゥルメントで生み出されています。多忙な CHEEBOW さんに、アイドルソングとの出会いや作曲のフロー、Cubase Pro の使いこなしなどについて話を伺いました。

オリジナルゲームの BGM 作りをきっかけに作曲をスタート

- CHEEBOW さんは小さい頃、何か楽器をやられていたのですか?

妹はエレクトーンを習っていたんですが、ぼくは全然でしたね。父親がギターを弾けたので、教えてもらったこともあるのですが、"お前には才能がない" と言われて(笑)、真剣にやるところまでいきませんでした。

- そんな CHEEBOW さんが曲作りを始めたきっかけは何だったのですか?

ぼくは中学生時代、マイコンで作ったゲームを雑誌に投稿するような少年だったんです。ゲームには BGM が必要なので、そのために作曲を始めた感じですね。最初に妹のエレクトーンでメロディーらしきものを作り、マイコンと言っても DTM ソフトや音源があるわけではないので、プログラミング言語で入力して。初めてマイコンから自分が作った曲が聴こえてきたときは、かなり感動しましたね。次第に単音のメロディーでは物足りなくなって、ドミソを短い音符で繰り返することで和音のように聴かせたり、マイコンのリレー回路を鳴らしてパーカッション代わりにしたりといろいろとやりました。自分で言うのも何ですが、オタクな中学生だったと思います。

- 曲作りはすぐにできるようになりましたか?

楽器を弾けるわけではなかったので、最初は鍵盤に適当に指を置いてメロディーを作っていたんですけど、そのうち鼻歌で曲を作るということを覚えて。気分がいいときって鼻歌を口ずさむじゃないですか。それがぼくの場合、大抵オリジナルのメロディーだったので、マイコンに打ち込んでみたところ、"お、これだったら簡単に曲が作れる!" と(笑)。その後、コードを覚えて、エレクトーンでコードを弾きながら鼻歌を口ずさむと効率よく曲が作れることに気づきました。あと当時よくやったのが、既成曲のコード進行に違うメロディーを付けること。妹が買っていた芸能雑誌の付録の歌本にヒット曲のコード進行が載っていたので、それをエレクトーンで弾きながら適当にメロディーを付けたりしていましたね。それによってお決まりのパターンというのを覚えて、オリジナルのコード進行を作れるようになっていきました。

- 当時はどんな音楽を聴いていたのですか?

イエロー・マジック・オーケストラや THE SQUARE(現 T-SQUARE)、カシオペアといったフュージョンが好きでしたね。当時は歌モノよりもインスト曲の方が好きだったんです。高校生になって、せめて楽譜くらい読めるようになろうと思い吹奏楽部に入ったんですけど、それをきっかけにクラシックも聴くようになったり。

- インスト曲に惹かれたのは?

単旋律のゲーム音楽を作っていたからというのは多分にあると思うんですが、それに加え、当時は音楽に歌詞は不要と思っていたのかもしれません。メロディーラインが美しければ、それだけで聴き手の想像力を喚起してくれるのに、歌詞があるとイメージが固定化されてしまうじゃないですか。それがぼく的にはつまらないなと。今は歌詞でメロディーを味付けしてもらうのが好きなので、まぁ、若さゆえの考え方だったんでしょうけど(笑)。でもインスト曲だけでなく、歌モノ曲も聴いてましたよ。オフコースや佐野元春、レベッカとか…。当時は今のようにネットで簡単に音楽を聴ける時代ではなかったので、気に入った曲はカセットに録音して繰り返し聴いていましたね。各パートのフレーズまで覚えてしまうくらいに。振り返ると、その頃の聴き込みが今のアレンジに役立っているのかもしれませんね。

アイドルソングは、彼女たちがこの世界で生き残っていくための武器

- アイドルに目覚めたきっかけは?

アイドル自体は普通にテレビで観ていたんですけど、特に誰かのファンというわけでもなく、高校生くらいまでは正直興味無かったんです。好きになったきっかけは、『夕やけニャンニャン』(註:1985年4月から1987年8月まで、フジテレビ系列で放送されていたバラエティ番組)なんですよ(笑)。高校三年生になると、部活を引退して早い時間に帰宅するようになるじゃないですか。ちょうど家に帰る時間に『夕やけニャンニャン』をやっていたんです。確か妹が観ていてぼくも観るようになったと思うんですけど、おニャン子クラブの渡辺満里奈さんの可愛さに見事にハートを撃ち抜かれまして(笑)。一気にハマってしまいましたね。それからは毎日の楽しみが『夕やけニャンニャン』… というか、おニャン子クラブを観ることになったんです(笑)。

- 楽曲も聴き始めて。

そうです。可愛いだけでなく、おニャン子クラブやその派生グループは音楽的にもおもしろかったんですよ。

- どのあたりがおもしろかったんですか?

特におもしろいなと思ったのは、新しい曲が出るたびに曲調が違うところ。それまで好きで聴いてきた音楽は、自分で曲を作るアーティストがほとんどだったので、サウンドに統一感があったんですよ。でもおニャン子クラブは新曲が出るたびに曲調が違って、それがぼくにとっては凄く新鮮だったんです。そのうち作曲家やアレンジャーをチェックするようになって、次の曲の作家は誰だろうと考えたりするのも楽しみの一つになりましたね。次第にお気に入りの作家を追いかけるようになり、他のアイドルもチェックするようになっていきました。売れっ子の作家って、アイドルによってサウンドのアプローチが全然違ったりするんですよ。プロの作曲家やアレンジャー、プロデューサーって本当に凄いなと思いましたね。

- 当時のお気に入りの作家というと?

後藤次利さんです。ぼくにとっての音楽の神様ですね。おニャン子クラブには直球の王道アイドル曲、河合その子には異国情緒のあるしっとりした曲、うしろゆびさされ組には可愛らしい曲… といった感じで、本当に同じ作家が書いたのかと思うくらい曲調の幅が広いんですよ。しかもどの曲もそのアイドルのイメージに合っている。本当に凄いなと思いましたね。後藤次利さんがベーシストということを知り、思わずベースを買ってしまったくらいです。全然弾けるようになりませんでしたけど(笑)。ちなみに後藤次利さんの楽曲って、ベースも聴きどころだったりするんですよ。シンプルなシンセベースの曲もあれば、ここぞというときにはフレットレスベースで痺れるフレーズを聴かせてくれたり。ベースという楽器のおもしろさを教えてくれたのも後藤次利さんですね。本当にぼくにとっては神様のような人で、当時は後藤次利さんの楽曲が掲載されている歌本を見つけては、コードを確認してエレクトーンを弾きながら歌うということをやっていました。だから後藤次利さんのコード進行はぼくの体に染みついていると思います。

- そんな CHEEBOW さんが、アイドルソングの作家としてデビューしたきっかけは何だったのですか?

2009年、現在はでんぱ組.inc で活躍している夢眠ねむちゃんに提供した『魔法少女☆未満』という曲が作家デビューなんですけど、ぼくは当時、電波系とかアキバ系とか呼ばれている楽曲を作っていたんですよ。ネットで知り合った歌い手さんとコラボして、CD をコミケや M3 で売ったりして。もちろん作った楽曲はネットでも公開していました。そうしたらあるとき、秋葉原ディアステージ(註:夢眠ねむ所属のライブスペース)の人から、"夢眠ねむという女の子に楽曲を書いてもらえないか" という連絡があって。秋葉原ディアステージの関係者がぼくの本業の方の知り合いで、たまたまネットにアップした曲を聴いて気に入ってくれたみたいなんですよね。それで提供したのが『魔法少女☆未満』なんですけど、そのときはアイドルに曲を書くという意識はなくて、気分的には同人活動の延長のような感じだったんです。でもライブに行って、夢眠ねむちゃんが踊りながら自分の曲を歌うのを見て、凄く感動したんですよ。アイドルに曲を書くのって凄く楽しいことだなと(笑)。嬉しいことに『魔法少女☆未満』が結構好評で、秋葉原ディアステージの女の子たちで結成されたディアステージアイドル部にも曲を書かせてもらえることになり、それから徐々に依頼が増えていきました。気づいたら、こんなにアイドルソングを作るようになっていたという感じですね。

- アイドルソングを作るのは楽しいですか?

とても楽しいですね。以前、後藤次利さんが何かのインタビューでおっしゃっていたんですけど、アイドルに楽曲を作るということは、スタイリストが洋服をコーディネートするようなものだと。つまりアイドルソングの作家は、音で女の子をコーディネートしているんです。だからぼくは、この子がどんな曲を歌ったら輝くかなということを常に考えながら曲を作っていますね。それにアイドルソングって、アイドルがこの世界で生き残っていくための武器や防具だと思っているんですよ。なのでぼくは、女の子の武器や防具を作っているのかなって(笑)。そんなことを思うこともありますね。

曲作りに Cubase Pro のコードトラックは欠かせない

- 最初はプログラミング言語で曲を作っていたとのことですが、いわゆる DTM 的なソフトを使い始めたのは?

自分で作ったゲームを雑誌に投稿して、いただいた原稿料で Yamahaの MSX を買ったんです。一緒に MSX に接続できる FM 音源とシーケンサー的なソフトも買って、それで打ち込みを始めたのが最初ですね。大学を出て就職してからは Yamaha SY99 で曲作りをして、カセット MTR にオケを録音し、歌を重ねるようになりました。その後は、PC-9801 互換機で Kuwatec Tool de Music Studio を使っていましたね。ちゃんとしたシーケンスソフトを使い始めたのはこれが最初です。

- Cubase を使い始めたきっかけは何だったのですか?

OS が MS-DOS から Windows になり、Tool de Music Studio を使い続けるのが難しくなってきたので、シーケンスソフトを見直そうと思ったんです。ただ、どれも高かったので、お試しくらいの気持ちで安価な Cubasis VST を買ったんですよね。特に知り合いが使っていたというわけでもなく、楽器屋さんに行ってジャケ買いしたような感じです(笑)。でもいざ使ってみたら凄く使いやすくて、すぐに馴染みました。以降、Cubase VST、Cubase SX とバージョンアップしていって、現在は最新の Cubase Pro 8.5 を愛用しています。Cubase はぼくが使える唯一の楽器と言っていいかもしれません。

- 現在の制作システムについて教えてください。

コンピューターは自作の PC で、OS は Windows 8 Pro、CPU は Intel Core i7、メモリは 16GB というスペックです。3年前に作ったマシンで、パワー的には何の不満もないんですが、そろそろ Mac に移行しようかなと思っています。普段の仕事では Mac を使っているので…。オーディオインターフェースは Steinberg UR28M で、モニタリングは Yamaha MSP3 と友人が製作してくれたオリジナルのヘッドフォンアンプで行っています。

- よく使うソフトウェアインストゥルメントを教えてください。

アナログシンセ的な音色は Cubase 標準の Retrologue、ドラムは XLN Audio Addictive Drums か Native Instruments Battery、ベースは Spectrasonics Trilian、ピアノは XLN Audio Addictive Keys といったところでしょうか。Retrologue は複数台立ち上げて使うことが多いです。シンセ系だと他には、Rob Papen Blue や reFX Nexus もよく使いますね。アルペジオやトランスゲート系は、大体 Blue か Nexus です。サンプラーは Steinberg HALion Sonic で、ブラスやストリングスはまずこれを試して、イメージと合わなければ他の音源を立ち上げる感じです。

- CHEEBOW さんは、古い Virtual Guitarist をいまだに愛用されているんですよね。

ギターは後で知り合いに弾いてもらうことが多いんですが、デモの段階では Virtual Guitarist を使いますね。64ビット環境だと上手く動かないので、jBridge を使って何とかしのいでいます(笑)。新しい Virtual Guitarist も試してみたんですけど、シンコペーションが上手く利かなかったんですよ。だから Steinberg にはぜひ古い Virtual Guitarist を復活させてほしいですね。

- プラグインエフェクトに関しては?

基本的には Cubase 標準のものを使っています。デモを作るときはチャンネルストリップのプリセットが活躍しますね。EQ とコンプレッサーが一括して設定してあるのが便利なんです。ちゃんとミックスする場合は、EQ は Pro-Q を使うことが多いですね。Pro-Q は EQ カーブが見やすく、操作しやすいのがいいんです。

- サードパーティーのものは使わない?

ちょっと音を前に出したいというときは、Waves Renaissance AXX を使いますね。ときどき使いすぎてしまうんですけど(笑)。あと仮歌バージョンを作るときは、ボーカルの音量を簡単に調整できる Waves Vocal Rider も使います。最近良かったのは、IK Multimedia Lurssen Mastering Console。調整できるパラメーターは少ないんですが、かけるだけで確実に音が良くなる。簡易的なマスタリングが必要なときに重宝しています。

- Cubase で特に気に入っている機能というと?

あまり周りで使っているという話は聞きませんが、コードトラックがお気に入りですね。まずはコードトラックにコードを並べて、コード進行を作ってからメロディーを試行錯誤し、またコードを変えてということをよくします。コードトラックは、テンションを簡単に試せるのがいいんですよ。それと知り合いにギターを弾いてもらうときは、コードトラックに表示されているコードをスコアにして渡しています。あとは VariAudio もお気に入りの機能ですね。アイドルはみんながみんな歌が上手いわけではないので、ボーカルの補正は欠かせません。ピッチ補正専用のソフトやプラグインもありますが、VariAudio は Cubase に組み込まれているのがいいんです。

- Cubase の使いこなしのコツがあれば教えてください。

ショートカットとマクロを使いこなすと作業がとても早くなります。例えばぼくの場合、ボーカルトラックのノイズや不要なブレスを取り除くためのショートカットを割り当てています。不要な部分を選んで、Ctrl + Alt + D を押せば、ノイズやブレスを一発で無音化できるように。あとは "ベロシティ100 + クオンタイズ + ノートの長さのクオンタイズ" を一発で実行できるマクロも組んでいますね。ぼくはあまり鍵盤を弾くのが上手くないので、とりあえず雑に弾いてしまって、このマクロで音を均してからエディットを始めるんです。

- Cubase に望むことというと?

ぼくはトラックに色をつけるのが好きなんですけど、カラーパレットを自由に変えられたらいいなと思っています。あとはトラックをここからここまでと指定して、パレットの順番で一気に色を変えられる機能とかあったらいいですね。それと最近はノート型パソコンで作業をすることもあるので、ドングルが無くなってくれると嬉しいです。  そういった要望はあるんですが、それでも Cubase から他の DAW に乗り換えるということは考えられないですね。一応、他の DAW もチェックしてみたりするんですが、Cubase では当たり前の機能が備わってなかったり。Cubase って本当に "備わってない機能は無い" と言ってもいいくらい機能が充実している DAW だと思います。

ファンに喜んでもらえる曲を作るには、現場をイメージしながら曲作りをするのが重要

- 最後に、最近の曲作りについて話を訊いておきたいのですが、アイドルの事務所から楽曲制作を依頼されたとき、曲調やアレンジに関してはどれくらい注文があるのですか?

コンペは細かい注文がありますけど、ぼくがたくさん手がけているライブアイドルの場合は、サウンドプロデュース込みで依頼されることが多いので、かなりざっくりした感じですね。"盛り上がる青春ソング" とか、"春の卒業ソング" とか(笑)。そんなワードを元に、ぼくの方で具体的な形に落とし込んでいきます。だから "妄想力" が重要になってくる。あと多いのが、ぼくが過去に作った楽曲のようにしてほしいというオーダー。でもこれがなかなか難しいんですよ。同じ曲にならないようにしなければならないので、とても頭を使います。そういうときは、とりあえず同じコード進行に違うメロディーを乗せるところから始めたりしますね。

- 曲を作るアイドルのことはかなりチェックしますか?

します。ライブに足を運ぶのはもちろんのこと、サウンドプロデュースをする場合はブログや Twitter も入念にチェックしますし(笑)。そういった情報はとても重要なんですよ。

- 曲作りのフローは決まっています?

違うときもありますが、大体決まっていますね。ぼくの場合、楽曲制作のスタート用テンプレートがあって、それを立ち上げるところから始めます。まずはピアノの音色で適当にコードを弾きながら鼻歌でメロディーを作る。そして良いコードとメロディーができたら、コードトラックにコードを入力して、あらかじめ用意してあるメロディー用トラックに歌メロを入力します。その後は、ドラム、ベース、ギター、ピアノの順に打ち込んでいくことが多いですね。この4つの楽器に関してはテンプレートに音色込みのトラックを用意してあるので、すぐに打ち込めるようになっています。あとは曲の構成やキメ、ブレイクを作っていくという感じですね。

- 良いアイドルソングを作る上でのコツがあれば教えてください。

ライブアイドルに関して言えば、ライブでファンの皆さんに喜んでもらえる曲が良いアイドルソングだと思っているんです。ファンに喜んでもらえる曲を作るには、やはりライブに足を運んで雰囲気を知り、現場をイメージしながら曲作りをするのが重要なんじゃないかなと。オタ芸、クラップ、サイリウム、独特の口上やコールなど、現場ではどんな感じでファンの人たちは盛り上がるのか。でも、そういうのをイメージしながら曲作りをしても、予想どおりにいかないことも多いんですけどね(笑)。それもまた作家としてはおもしろかったりするんです。

- ファンの盛り上がりは維持しつつ、曲調にバリエーションをもたせるのは大変そうですね。

そのとおりで、ライブでの盛り上がりだけを考えると結局似たような曲になってしまうので、これまでの曲といかに違うタイプの曲にするかというのは、ぼくにとっても課題だったりします。でも、絶対にやった方がいいのに、他の曲に似ているという理由で封印してしまうのも違うと思うので、ここぞというときは恥ずかしげもなく "いつものキメ" を使ってしまいますけどね(笑)。

- ファンの反応は気になりますか?

気になりますね。だから新曲お披露目後の Twitter などはマメにチェックしています(笑)。特にこれまでに無いタイプの曲だったときとかは不安になるんですけど、Twitter で "新曲良かった!" というツイートを見ると、本当に嬉しくなりますね。思わずガッツポーズしてしまいます(笑)。

 

- 自信作を何曲か挙げていただけますか。

まずは Luce Twinkle Wink☆ の『刹那ハレーション』ですかね。Luce Twinkle Wink☆ は、愛乙女☆DOLL の研究生として活動していたメンバーで結成されたグループで、この曲は彼女たちの初のオリジナル曲なんですよ。

最初は彼女たちのルックスやパフォーマンスを考えて、可愛らしい曲調でいこうと思っていたんですが、何度かライブに足を運んでいるうちにカッコよくてメッセージ性のある曲の方が合っているような気がして。それで出来たのが『刹那ハレーション』なんですけど、ファンの人たちに思っていた以上に受け入れられて、彼女たちの代表曲であると同時に、ぼくにとっても代表曲の一つになりました。

 

ぼくの曲はライブで盛り上がる曲が多くて、運営さんからはそういう曲を求めて発注されることが多いんですけど、あえてぼくの方から "こういう曲を書かせてほしい" とお願いして制作した曲がありまして。

沖縄のローカルアイドル、RYUKYU IDOL の『アカネイロ』という曲なんですが、これは最近の自信作ですね。彼女たちのライブは盛り上がり方が凄いんですけど、しっとり聴かせる曲がセトリにあってもいいんじゃないかと思って作った曲なんです。

RYUKYU IDOL のライブを見て、彼女たちならこういう曲も歌いこなせるんじゃないかと思ったんですよね。メロディーラインが美しい良曲に仕上がったんじゃないかと自負しています。

- 最後に今後の予定を教えてください。

じぇるの!の『ヤダッ!』という曲のサウンドプロデュースをして、今年デビューしたばかりの KAMOがネギをしょってくるッ!!! には『アイオライト』という曲を提供しました。それと12月にリリースされる Chu☆Oh!Dolly のミニアルバムには、ぼくがサウンドプロデュースした『爆裂!疾走!恋セヨ乙女』という曲が収録される予定です。どの曲も各グループの色に合わせて作っていますので、ぜひその違いを聴いていただけたらと思います。

CHEEBOW

CHEEBOW さんが主宰する音楽制作チーム「くじら音楽部」のサイトはこちら

CHEEBOW さんの連載記事、『アイドルソングの作り方』がスタート!

Web メディア ICON で、CHEEBOW さんの連載記事『アイドルソングの作り方』がスタートします。

この連載では、CHEEBOW さんが Cubase Pro を使ったアイドルソング作りをゼロから解説。アイドルに楽曲を提供してみたいと考えている方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。