Steinberg Media Technologies GmbH

Creativity First

Beim Strohhause 31
20097 Hamburg

Tel: +49 (0)40 210 35-0
Fax: +49 (0)40 210 35-300

数々のアーティストへ楽曲を提供するクリエーター/プロデューサーとして、そしてギタリスト、エンジニア、Studio Cubic Records レーベル主宰として、J POP シーンを常に牽引し続ける鈴木 Daichi 秀行氏。国内外のヴィンテージ/最新ハードウェアに対する造詣も深い。そんな Daichi 氏に、自身もユーザーである Cubase と、AXR4T を使った32ビット整数オーディオを体験いただき、その音質、そして「本物の SILK」を知る Daichi 氏ならではの感想を聞かせていただきました。

- 今回は、AXR4T のデモ曲を、それぞれ24ビットと32ビットで聴いていただきましたが、32ビットではどのような感触でしたか。

Daichi: 低域、倍音の下の方が伸びてますね。それからボーカルの帯域の厚みがすごく出ていて、声の存在感が増えていました。あと、空間的にも音像が大きくなる感じになっています。最近、いろいろなオーディオインターフェースが出ていますが、どれも割りと味付けが濃い、というか、ちょっと作られた音が多いんですが、これはすごく自然な再生音ですね。

- SILK はいかがでしょうか。

Daichi: 僕は、普段から実機の方も使っていますが、実機と同様に、かかり方が「化学調味料」じゃなくて、「天然の出汁」みたいな感じで使いやすそうですね。より具体的に言うと「響きが良くなって、レンジが広がる」というところでしょうか。

- Daichi さんは普段、SILK の RED と BLUE をどのように使い分けているのでしょうか。

Daichi: ロック系の元気な感じが欲しいときには RED で、トータルで倍音を足すというときには BLUE ですね。その違いもこの AXR4T ではよく出ているし、オン/オフだけじゃなくて、どれだけの量をかけるかも調整できるから、いろいろな楽器に使えて便利です。

- AXR4T のどんなところが気に入りましたか。

Daichi: 高性能でクセのないプリアンプに、SILK が入っているので、いろいろな音作りができますよね。たとえば、ひたすらクリアで素直に録りたいときにはプリのみで、もっと太くしたかったら SILK を入れる。しかも RED と BLUE のキャラクターが選べて、かつその量も調整できます。これがクセのあるプリを使うと、そこでもう音が全部そのプリの個性に引っ張られちゃうので、もしイメージが違ったらプリを替えなくちゃならない。でも AXR4T なら、1台で様々なバリエーションが得られるので、いろいろなマイク、そして音源にマッチさせられます。

- Daichi さんなら AXR4T をどのように使いますか。

Daichi: やはりボーカル、それからアコギ、エレキのアンプ録りとか、いわゆる通常のレコーディングでの録りとしてですね。これ、リバーブもモニターがけできるから、マイク、そして PC があれば1台だけでセットできるので、すごくスピーディーに録りが始められます。

- ドラムのレコーディングにはいかがでしょう。

Daichi: マイクプリが4つあるので、ドラムでキック、スネア、オーバーヘッドの LR で使えますよね。ドラムはこの4つのマイキングが大切だから、このプリアンプと SILK でしっかり録る。そしてタム系は補助的なので、他のプリアンプ経由で AXR4T のラインで録音すれば良いですからね。

- Daichi さんは Cubase ユーザーですが、AXR4T と組み合わせて使ってみていかがでしたか。

Daichi: すごく親和性がありますよね。トラックのインスペクターに AXR4T の状態、たとえば SILK のパラメーターも表示されて、しかも画面で操作もできるのでわかりやすいし、プロジェクトにもその状態がリコールできるのはありがたいです。制作の仕事をやっていると、録り直ししなきゃならないこともあるんですが、録ったときの状態を保存しておけるから、現場の人間として重宝します。

- この AXR4T は、どんな人にお勧めでしょうか。

Daichi: プライベートスタジオで制作を続けていて、もっと録り音にこだわりたい、という人でしょうか。クライアントの要求に合わせるとなると、どれだけインターフェースで音作りができるか、ということが大切なんですよ。つまり、味付けしていないピュアな音から、倍音を付加するような装置がついていて、さらに内蔵 DSP でのエフェクト処理できる、ということがすごく重要になってくる。もちろん、マイク、プリ、プロセッサーなどの機材をたくさん持ってて、状況に合わせてチョイスする、というのが理想ですけど、なかなかそうはいかないし、スペースも限られているから、それが AXR4T みたいな 1U で実現できると効率も良いし、その結果良いものができると思います。

- いろいろと活用できそうですね。

Daichi: この価格でこの装備、そしてこの音質はなかなかすごいコスパですよね。初心者のときにとりあえず買ったオーディオインターフェースでずっとやっている、という人の次のステップとして考えるのもありだと思います。それから、1Uで持ち運びも楽だから、たとえばバックトラックは家で作って、ボーカル録りだけ外部スタジオを使うという人も、音質に妥協せずに録れます。32ビット整数という、これからのフォーマットも期待できますが、まずは録りをこれで極めてみると良いんじゃないでしょうか。

AXR4T

32ビット整数、384 kHz サンプリングレートでの録音再生という新次元の音質に到達した、Steinberg のフラッグシップオーディオインターフェース。
RND SILK エミュレーションによる音楽的なサチュレーションと、限りなくクリーンな音色を選択できる、ハイブリッドマイクプリアンプを4基搭載。

AXR4T 製品ページ