WaveLab Pro/Elements 9 徹底活用ガイド
著・監修:藤本 健
第04章 エフェクトと VST プラグイン
WaveLab ではエフェクトを使ってオーディオ波形にさまざまな効果を与えることが可能です。また VST プラグインに対応しているので、数多く普及する一般の VST エフェクトを組み込んで利用することも可能です。エフェクトの利用方法、手順や扱い方について紹介していきます。
04-01 サウンドにエフェクトをかけたい(オーディオモンタージュを利用する)
WaveLab でサウンドにエフェクトをかけるには、いくつかの方法があります。そのもっとも基本的な方法は、オーディオモンタージュを利用する方法です。そこで、ここではオーディオモンタージュを起動させ、エフェクトをかけるための準備をするところまでの手順を紹介しましょう。
手順1: オーディオエディターからファイルメニューを開く
手順2: オーディオモンタージュを選択
手順3: 新規モンタージュを作成
手順4: エフェクトウィンドウを開く
04-02 サウンドにエフェクトをかけたい(マスターセクションを利用する)
04-01 では、エフェクトをかけるにはオーディオモンタージュを使う必要があることを紹介しましたが、それとは別にマスターセクションを利用する方法もあります。マスターセクションの詳細は第08章、第09章で解説しますが、ここでも簡単に触れておきましょう。
手順1: オーディオエディターまたはオーディオモンタージュで波形を用意する
手順2: マスターセクションに入っているエフェクトを確認する
手順3: 必要に応じてエフェクトのスイッチをオンにする
手順4: 別のエフェクトを組み込む
04-03 トラック単位でエフェクトをかけたい
オーディオモンタージュでは3つの方法でエフェクトをかけることができます。ここでは、まず一番一般的な使い方ともいえるトラック単位でのエフェクトのかけ方について紹介します。オーディオモンタージュの開き方やエフェクトウィンドウの開き方については 04-01「サウンドにエフェクトをかけたい(オーディオモンタージュを利用する)」を参照ください。
手順1: トラックを選択する
手順2: エフェクトウィンドウの「トラック」をクリック
手順4: エフェクトを設定する
手順3で作成したスロットにエフェクトを設定します。「空きスロット」という文字付近をクリックするとポップアップメニューが現れるので、この中から組み込みたいエフェクトを選択します。
* 間違えたエフェクトを挿入してしまった場合はエフェクト名の書かれたスロット部分を右クリックすると、ポップアップメニューが表示されるので、ここで正しいエフェクトを設定しなおします。
* オーディオモンタージュのトラックの左端の「FX」という文字をクリックすると、エフェクトウィンドウを用いることなく、直接エフェクトを設定することも可能です。
手順5: エフェクトのパラメーターを設定する
手順6: 再生して音を確認する
04-04 クリップ単位でエフェクトをかけたい
オーディオモンタージュでは3つの方法でエフェクトをかけることができます。ここでは、1つのオーディオクリップだけに対してエフェクトをかける方法について紹介します。オーディオモンタージュの開き方やエフェクトウィンドウの開き方については 04-01「サウンドにエフェクトをかけたい(オーディオモンタージュを利用する)」を参照ください。
手順1: クリップを選択する
手順2: エフェクトウィンドウの「クリップ」をクリック
手順4: エフェクトを設定する
手順5: エフェクトのパラメーターを設定する
手順6: 再生して音を確認する
04-05 オーディオモンタージュの出力にエフェクトをかけたい
オーディオモンタージュでは3つの方法でエフェクトをかけることができます。ここでは、オーディオモンタージュの出力に対してエフェクトをかける方法について紹介します。オーディオモンタージュの開き方やエフェクトウィンドウの開き方については 04-01「サウンドにエフェクトをかけたい(オーディオモンタージュを利用する)」を参照ください。
手順1: エフェクトウィンドウの「出力」をクリック
手順3: エフェクトを設定する
手順4: エフェクトのパラメーターを設定する
手順5: 再生して音を確認する
手順6: 必要ある場合は出力ゲインを調整する
【コラム】WaveLab Pro 9 に同梱されているプラグイン
WaveLab Pro 9 には以下の表のような豊富なプラグインがあらかじめ同梱されているので、一通りのエフェクト処理を行うことが可能です。クリップ単位でエフェクトをかける場合、トラック単位の場合、オーディオモンタージュ出力の場合、またマスターセクションでかける場合など、利用の仕方によって使えるエフェクトと使えないエフェクトがあるので、確認しておくといいでしょう。
04-06 VST プラグインを追加したい
WaveLab には、数多くのプラグインエフェクトが同梱されていますが、市販のプラグインやフリーウェアやシェアウェアのプラグインなどを追加して、それらを利用することも可能です、ここではインストーラーがある場合、Windows の場合、Mac の場合に分けて、プラグインの追加方法について紹介してみましょう。
インストーラーがある場合
手順1: インストールプログラムを起動する
手順2: 必要に応じてインストール先フォルダを設定する
手順3: 必要に応じて VST プラグインフォルダを指定する
インストーラーがない場合 (Windows)
手順1: dll ファイルを VSTPlugins フォルダにコピーする
手順2: 必要に応じて VST プラグインフォルダを指定する
インストーラーがない場合 (Mac)
手順1: vst ファイルをライブラリにコピーする
手順2: 必要に応じて VST プラグインフォルダを指定する
04-07 複数のエフェクトを順番にかけたい
エフェクトをかける際、トラック単位でも、クリップ単位でも、オーディオモンタージュの出力に対してでも、1つだけでなく、複数のエフェクトを順番にかけることが可能です。また必要に応じて、自由に順番を入れ替えることも可能です。なお、トラック、クリップ、オーディオモンタージュの出力のいずれの場合でも方法は同じなので、ここではトラックの場合で説明していきます。
手順1: 2段目に空きスロットを追加する
手順2: エフェクトを設定する
手順3: エフェクトの順番を入れ替える
【コラム】エフェクトの処置チャンネルを設定する
04-08 エフェクトをかけた結果をファイルとして書き出したい
オーディオモンタージュでエフェクトをかける場合、これはあくまでもリアルタイムでエフェクト処理しているだけなので、結果を聴くためには、WaveLab やエフェクトが動く環境が必須となります。しかし、その結果をオーディオファイルとして書き出しておけば、そのオーディオファイルの再生環境さえあれば、いつでもどこでも自由にエフェクトのかかった音を聴くことができるようになります。