Steinberg 25th AnniversarySpecial Interview より、渡部高士さんへのインタビューの一部をご紹介します。
渡部高士 (サウンドエンジニア/レコーディングエンジニア)
Q. 渡部さんは、現在メイン DAW に Nuendo 4 をお使いでしょうか。
基本的には Nuendo 4 なんですけど、最近は Cubase 5 も使ってます。だいたいバージョンは Cubase が先行するんで、その期間は Cubase を使ってます。
Q. Cubase や Nuendo を使い続ける理由は?
やっぱり何年も使ってるという“慣れ”が一番大きいと思うんですよね。ひとつ言えるのは、Steinberg が最初に箱の概念を作ったんです。普通は Audio ファイルをアレンジウインドウに裸で貼るわけです。で、頭が1小節目の4拍目の3ビート目のものができるわけです。普通の Audio ファイルで貼ってくと、コピーしていったとき隙間ができて、それを拡大して俯瞰して見ると、もう隙間がボコボコ出てきて、やりづらいんです。だけど Cubase は8小節で囲って、それも8小節のパターンとして扱える。その概念は他の DAW ソフトには無いんですよね。ですから他の DAW ソフトから移ってきた人に、「必ずパート使ったほうがいいよ」って教える。そうして Cubase に慣れてくると、みんな使い始めるんです。
Q. Cubase 5 の感想をお聞かせいただけますか?
Cubase を使っていて、こういう機能があったらいいなっていうのが、頭の中にみんなあるじゃないですか。今回、それが結構な割合で実現されていますね。象徴的なのが、同時に複数のトラックが全部書き出せるっていう「バッチエクスポート」です。
Q. Steinberg 社に対してメッセージを。
Steinberg って、常に一番最初に、後でみんなが真似するようなことをやってきたんですよね。でも今はもう、DAW ソフトで「これがやりたかった」っていう機能はだいたいできちゃってるんです。ですからこれからイノベートするためには、結構本当にすごい「えー、こんなこと考えたんだ」っていう発想が重要だと思うんです。それをずっと続けていって欲しいですね。