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Nuendo 7 for Game Audio 最速インタビュー

プラチナゲームズといえば、『BAYONETTA』 (PS3/XBOX360)、『MADWORLD』 (Wii)、『VANQUISH』 (PS3/XBOX360)、『MAX ANARCHY』 (PS3/XBOX360)、『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』 (PS3/XBOX360)、『THE WONDERFUL 101』 (Wii U)、『BAYONETTA 2』 (Wii U) など、数々の人気ゲームタイトルの開発を手がける、世界中のファンから高い評価を受けるゲームデベロッパーです。

本インタビューでは、大阪・梅田スカイビルに居を構える同社本社を訪問し、実際の制作現場などを拝見。そして Nuendo 7 + Nuendo Expansion Kit をいち早く使っていただいた同社のゲームオーディオを "楽曲" と "効果音" という両面から強力に支えるクリエイター、山口裕史氏(リードミュージックコンポーザー)と、進藤雅人氏(サウンドデザイナー)のお二人に、最新バージョンによるゲームオーディオ制作の新たな可能性とその魅力について、さまざまな角度からお話を伺いました。

プラチナゲームズの音楽、効果音を作り出す最新システムに迫る

— 前回、弊社のインタビューにご協力いただきました際には、Cubase をメインの DAW ソフトとして使用しているとお聞きしましたが、その後の制作システムに変化はございましたでしょうか?

(山口)音楽制作システムの基本的なハードウェアの構成については大きな変化はなく、使い慣れた MIDI キーボードやモニタリングシステムをそのまま愛用しています。ソフトウェア面では、今年5月に Nuendo 6.5 と Nuendo Expansion Kit (NEK) を導入し、DAW 環境を刷新しました。

(進藤)私は、2015年のはじめに、Cubase から Nuendo へと DAW 環境を移行していたので、最新バージョンの Nuendo 7 と NEK の導入によって、そのシステムがさらに快適なものへと進化すると思います

— お二人は、音楽、効果音制作システムのコアなる DAW ソフトを、Cubase から Nuendo + NEK に移行されたわけですが、その第一印象について教えていただけますか?

(山口)個人的には、DAW ソフトを移行することに、漠然とした不安を感じていたのも事実です。しかし、今回 Nuendo を導入してみて、その不安は良い意味で裏切られる結果となりました。NEK を導入することで、音楽制作に欠かせない Cubase の機能も完璧に再現できますし、気になるユーザーインタフェースなどについてもまったくと言って良いほど違和感がありませんでした。触れた瞬間に、「これなら何の問題もなく移行できるな!」といった印象を持ちました。

(進藤)私は、Nuendo 7 については、Nuendo 6.5 からのアップデートとなるのですが、前バージョンでは Cubase からの移行に際しては、若干の慣れのようなものが必要に感じていた部分もあったのですが、今回の Nuendo 7 + NEK の組み合わせでは、Nuendo としてのアドバンテージはそのままに、Cubase ユーザーにとって些細な違和感となりえる部分なども払拭されたように思います。SE チーム内の他のクリエイターにも、 Nuendo 7 ならすぐに移行しても絶対に大丈夫だよ! って強力にプッシュしまくっているほどです!(笑)」

— 今後、プラチナゲームズのゲームオーディオ制作は、Nuendo 7 + NEK といったシステムに、すべて統一されていくことになるのでしょうか?

(山口)そうですね、将来的には音楽制作、SE 制作などシーンを問わずシステムの統一を進めていきたいと考えています。もともと Cubase で楽曲制作を行っていたわけですが、効果音制作や MA など現場とのシステムの統一を図ることで、これまで以上に高いデータの互換性や信頼性、さらに作業効率の向上などを実現できるメリットは非常に大きいです。さらに、クリエイターにとっては、最小限の負担と時間で DAW 環境を移行できるのも大きな魅力ではないでしょうか。

ゲームオーディオ業界待望! Wwise 連携機能による次世代ワークフロー

— ゲームオーディオ制作の現場において、Nuendo 7 および NEK を導入なさることのメリットについて、実際に使用してのご感想などをお聞かせください。

(山口)楽曲の制作においての一番のメリットは、NEK の導入により、Cubase 8 で実現している便利機能やプラグインなどの数々がそのまま利用できることです! 「スコア機能」や「エクスプレッションマップ/ノートエクスプレッションマップ」などの機能は、楽曲の完成度を高めていくには欠かせない機能ですし、Cubase で培ったノウハウをそのまま Nuendo で生かすことができます。その他の機能では、「アレンジャートラック」や新機能の「インプレイスレンダリング」なども、楽曲構成の変更やゲームシーンの再現といった用途で大変重宝しています。

(進藤)Ver.6.5 から、Ver.7 への移行の際には、オペレーション面など良い意味であまり差を感じることはありませんでした。それでいて、「VCA フェーダー」や「インプレイスレンダリング」、「プラグインマネージャー」やワークスペース管理の改善など痒いところに手が届くようなクリエイターのための細かな機能が充実したのがとても印象的。特に細かな尺の調整などが必要な SE 制作とインプレイスレンダリングの相性は最高です! そして、なんといってもゲームオーディオ制作に特化されたミドルウェア「Wwise」と Nuendo 7 の連携が実現するとは! 個人的には、この新機能だけをもってしても、かなりのインパクトでしたね。

— Nuendo 7 で連携可能となった Wwise (WaveWorks Interactive Sound Engine)とは、ゲームオーディオ制作においてどのような役割やメリットがあるのでしょうか?

(山口)Wwise は、Audiokinetic が提供しているゲームオーディオ制作に特化された包括的なオーディオパイプラインソリューションであり、ミドルウェアと呼ばれるカテゴリーに属する製品です。サウンド制作からプログラム内部の処理に至るまで、Wwise の機能やメリットは多岐に渡るのですが、サウンドクリエイターにとっては、これまでプログラマーの領域であったサウンドの組み込みや管理などの作業において、クリエイティブ面でコントロールできる範囲が大きく広がるのが一番大きなメリットといえると思います。Wwise は、プラチナゲームズのゲームオーディオ制作の現場において、今ではなくてはならない存在です!

— Wwiseとの連携を可能にする「Game Audio Connect」機能を使用されて感じられたメリットやワークフローへの影響について、具体的に教えていただけますか?

(進藤)特に、ゲーム中で使用する SE は、何百何千というファイルを制作し、正確に管理しておく必要があります。これまでは、Nuendo で制作したデータを個別に毎回書き出し、ファイルを整理してから、Wwise 専用ソフトウェアに読み込むなど、事務的作業に時間をとられることが多かったのも事実。しかし、Nuendo 7 と Wwise を Game Audio Connect 機能により連携させることで、それら一連の作業をドラッグアンドドロップだけでシームレスに行えるのです! また、データに変更の必要が生じた際に、Wwise 側の "Edit In Nuendo" の機能で Nuendo プロジェクト内の任意の箇所にワンステップでダイレクトに戻れることも、劇的に作業の効率やクリエイティビティーを高めてくれる大きな要因となっています。

(山口)まさに、ゲームオーディオを制作する我々にとっては待望の新機能である Game Audio Connect ですが、現状可能となっていることは非常にシンプルで明解です。Nuendo 7 に搭載された Game Audio Connect によりベースとなる機能は十分に準備が整ったと感じられましたので、今後はワークフローに絶大なメリットをもたらしてくれる同機能を、我々ユーザーがいかに使いこなし生かせるのか模索しつつ、さまざまなフィードバックを積極的に行っていくことで、さらなる Wwise との連携機能の拡張や進化にぜひ期待したいところです!

— その他、新機能に限らず Nuendo / Cubase のお気に入り機能などがあればぜひ教えてください。また、付属や市販のプラグインでよくお使いのものはございますか?

(山口)新機能の VCAフェーダー は、従来のバスやグループを組む手法とは違い、楽曲制作の途中でも気軽かつ瞬時に複数のフェーダーを操れるので、ストリングパートのオートメーションの記録などにもとても使い勝手がいい!また、Nuendo 7 で搭載されたプラグインの中では Multiband Envelope Shaper がお気に入りで、マスタリング用途だけでなく各パートの細かなサウンドトリートメントにも積極的に活用しています。それから、個人的に欠かせないのが、なんといっても Magneto Ⅱ ですね。まさか、Magneto が復活するとは思ってもみなかったので…(笑)サウンドを選ばず、オールジャンルでどんなパートにも使える独特の質感が好きで多用しています。

(進藤)最近では、全体的にサウンドがクリーン過ぎる傾向にあるので、ゲーム内のシーンに応じてサウンドをいい具合に汚せる Quadrafuzz v2 なども使用する機会が多いですね。さらに、以前より社内では導入していたのですが、簡単な操作で精細なサラウンド音声のミックスを実現する IOSONO Sound のサラウンド・プラグイン Anymix Pro が、Nuendo には標準で付属しているので、SE の定位感を 3D 的に調整する際などに重宝しています。ちなみに、サードパーティー製プラグインでは、Audio Ease の Altiverb と Speakerphone なども、シーンのリアリティーを再現するのに欠かせないエフェクトとして常用しています。

— それでは、最後にゲームオーディオ制作の現場における Nuendo 導入のメリットや魅力、さらに今後の Nuendo に期待することなど含めコメントをお願いします。

(山口)Nuendo 7 + NEK が導入された環境であれば、現 Cubase ユーザーも違和感を覚えることは皆無であり、音楽のコンポーズに欠かせない緻密な制作環境と、ポストプロダクションに必須となる優れた拡張性を同時に1つのシステムで、シームレスに実現できるのは Nuendo ならではのメリットです! シーンを選ばず、統合的なシステムを構築可能な Nuendo は、弊社サウンドチームはもちろん、ゲームオーディオ業界全体にますます普及していくのではないでしょうか。今後は、音質、安定性、操作性といった DAW ソフトウェアとして基本性能のさらなるブラッシュアップとともに、イベント生成やオーディオフェード処理の自動化など Game Audio Connect 機能の拡充にもぜひ期待しています!

(進藤)私自身は、実際に Cubase から Nuendo へと移行してみて、オペレーションをはじめ、各種編集、プラグイン、さらに映像との同期性能など、いずれの機能をみてもプラスになることはあれど、マイナスと感じる部分はまったくありませんでした。さらに、ゲームオーディオ制作の現場においては、Wwise との連携を実現しワークフローを劇的に加速してくれる Game Audio Connect の存在は、今後ますます大きなアドバンテージとして発展していくに違いありません。また、現時点での Game Audio Connect はまだまだ伸びしろを持った機能なので、クリエイターとしてそこに無限の可能性を非常に強く感じています。

タイトル紹介

『BAYONETTA 2』
対応機種: Wii U
ジャンル: クライマックス・アクション
発売日: 2014年9月20日
希望小売価格: 7,700円(税別)
発売元: 任天堂株式会社
開発元: プラチナゲームズ株式会社

© 2014 Nintendo  © SEGA

サイト情報 & 関連記事

プラチナゲームズ公式サイト: http://www.platinumgames.co.jp

2012年のインタビュー記事: こちらから

Nuendo for Game Audio オペレーションガイドビデオ: こちらから

ヤマハプロオーディオサイトでは、DAW システム Nuage に関する同社のインタビュー記事を掲載しています: こちらから