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鈴木 Daichi 秀行が語る「Cubase で拡がる THR の愉しみ」

マルチプレイヤーとして第一線で活躍する 鈴木 Daichi 秀行 氏が、Cubase やヤマハギターアンプ THR10 について、ギタリストとして語ってくださいました。

聞き手:ヤマハ、Steinberg 国内商品担当

○ 鈴木さんはキーボードプレイヤーでいらっしゃいますが、ギター歴はどのくらいになりますか?

実は、最初はキーボードだったんですが、高校の頃からギターもやってました。ギターもなんだかんだ長いですね、20年くらいですかね(笑)。今でもアレンジの際にはキーボードも弾きますが、バンドでずっとギターをやってたんで、どっちかというとギターの方が得意ですね。だから僕はギタリストですかね(笑)。

○ ヤマハのエレキギターを使ったことはありますか?

昔、ヤマハの SG2000 を使ってましたね。一番最初にバイトして買ったギターは高校生の時で、品番は忘れてしまいましたが、ハムバッカーを搭載したヤマハのストラトシェイプのギターなんですよ。

○ 普段よく使うギターアンプ、エフェクターを教えてください。

フラクタルオーディオのアンプシミュレーターの場合と、あとは Orange とか Marshall とかを使ってますね。あとはプラグインとかですかね。Cubase 6.5 に搭載されている VST Amp Rack も良く使いますよ。プリプロで録った後、スタジオでギターテックの人を呼んで、リアンプとかするんですが、元の音を聞くときに、「これ、何で録ったんですか?」って感じでクオリティの高さにびっくりされましたよ。

○ ハードウェアのアンプとソフトウェアのアンプシミュレーターは、どちらの使用比率が高いですか?

今はプラグインの方が多いですかね。最終的には、アンプで鳴らしたりしますけど、プリプロの時点だと音を変えられるから、プリプロまでラインでやって、そのままラインでいくこともあるし、リアンプして録り直すこともありますね。全部がアンプ、全部がラインとかだとやっぱり平面的になってしまうので、ケースバイケースで変えた方が最終的には効果的に差がでますね。

○ ギターのレコーディングは鈴木さん自身がプレイされるのですか?

そうですね。ジャンルによってギタリストを呼ぶ事もありますけど、基本的には僕がここ Studio Cubic で弾きますね。外スタジオで録る事もありますけど、外スタジオで僕が弾く事はあまりないですね。

○ ヤマハのギターアンプ THR10 を使っていただきましたが、印象をお聞かせください。

すごく良くできてますね。この値段でこの音が出るのは他にないですね。僕の THR10 を試しに使った人はみんな「イイね!」って言いますよ。ありそうでないデザインも良いですね。デザインで買う人も多いんじゃないですか。

○ THR の最も気に入ったポイントはどこですか?

エフェクターとかひと通り揃っているのが良いですね。アーティストと一緒に曲をプリプロして作ったりする時が多いので、その時に結線など大掛かりにならずに、電池駆動もできるので気軽に音が出せるっていうのがすごく便利ですね。ギタリストの練習のために iPod とかも接続して使えるので、練習にも最適です。

○ THR の音質(シミュレーションサウンド)は実物のアンプとプラグインと比べていかがですか?

全般的にプラグインだとクランチ系の音がそんなに得意じゃない印象なので、THR は歪系の音色が良いですね。僕は THR の「BRIT HI」の音色が好きですね。このザイズだと操作感とか THR でやった方がプラグインより分かりやすいと思うので、直感的に音が作りやすいですね。意外と凄いデカい音が出て、びっくりしました(笑)。

○ THR には Cubase AI 6 が付属していますが、鈴木さんと言えば Cubase の第一人者です。THR と Cubase を組み合わせて使用することで、どんな活用方法が考えられますか?

これだけあればギターを Cubase に録れるってのは良いですね。最近は PC を使って楽曲を制作したりする人が増えましたけど、ギタリストって PC に疎い人がまだ多いんですよ。THR と PC だけあれば、お手軽にギターが録音できるってのは良いですね。

○ 鈴木さんの周りのギタリストの方で DAW を使用している方は多いのですか?

スタジオミュージシャンとかだと、自宅で録る事が増えているので DAW を使わざるを得ないっていうのがありますね。スタジオに行ってやることもあるし、あとはちょっとしたフレーズをファイルベースでやり取りする事が多いですからね。

○ Cubaseでギターを録音する際のコツがあれば教えて下さい。

ギターを録音する時は、DI をオーディオインターフェースの間に繋ぐとすごく良いですよ。そのままオーディオインターフェースに直結だと、ちょっとなよっとする感じがあるんですけど、DI を間に使うだけで、ガッツが出るというか、全然印象が違いますね。通常のレコーディングの仕方でアンプにギターをさして、マイクで録るっていうスタンダードなものから、シミュレーターを使ったラインのものまで色々増えてきているので、やり方とかも色々試して、気に入った方法を見つけるのが良いんじゃないですかね。DI を色々変えてみたりとかするだけで、VST Amp Rack の音の幅が広がると思いますね。

○ THR と Cubase を組み合わせた使い方は、これから楽曲制作をしたいギタリストの方におすすめですか?

そうですね。ギタリストだけでじゃなくて、ベーシストやシンガーソングライターの方にも良いと思いますね。パソコンと THR があれば、これで全部できちゃうので、これから Cubase と組み合わせて、楽曲制作やギターを録りたい人にはおすすめですね。これから始める方に最適だと思います。この組み合わせでこんなに簡単にできるんだよっていうことをもっと知って欲しいですね。

○ 現在、Cubase の最新バージョンは6.5です。この Cubase 6.5 にはギタリストが重宝する機能がたくさん入っていますが、その中でも鈴木さんはどの機能がオススメですか?

色々あるんですけど、マルチテイクコンピングは、テイクの管理とかがすごい楽になりましたね。あとは、VST Amp Rack のアンプシミュレーターですね。Waves のアンプシミュレーターと同じくらい使用率高いです。Cubase 6.5 で VST Amp Rack のアンプの種類が増えてますけど、もっと増えてくれれば良いなぁって思います (笑)。 普通に作曲する分には足りるんですけど、やっぱりずっと作曲しているとどうしても同じ音になってしまうので、結局毎回同じ音になってしまうので、同じ歪みでもバリエーションがあると良いなと思います。ギタリストを抜きにしても、新しいソフトシンセの Padshop は使えますね。他では出ない音が出せます。ちょっと難しいけど、モーフィングするので、楽曲の効果音的にも良いですしね。

THR を USB 接続でレコーディングすると、エフェクトをかけた音とドライの音を別々に録音できるので、THR の内蔵エフェクトを生かしたテイクと Cubase のプラグインを使ったテイクを楽しむことができます。もちろん、レコーディング後の編集機能も充実していますので、本当に色々な可能性を秘めています。

○ 今日はどうもありがとうございました。

<鈴木 Daichi 秀行 プロフィール>

1995年、ConeyIslandJellyfish のメンバーとして Antinos Record よりデビューする。 BAND 解散後、プロデューサー、アレンジャー、マルチプレーヤーとしての活動をスタートさせ現在に至る。
代表作: miwa「春になったら」 、平井堅「いとしき日々よ」、ダイスケ「あなたにしかできないこと」、いきものがかり「KISS KISS BANG BANG」、SUPER☆GiRLS「MAX!乙女心」、JUN SKY WALKER(S)、FTISLAND、絢香「三日月」「I believe」、YUI「Feel My Soul」、 モーニング娘。「リゾナントブルー」など。