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ゲスト:クラウドナインスタジオ 松尾直人 場所:クラウドナインスタジオ 宮前平店 聞き手:ヤマハ 藤原寛二

藤原:まずは、セルフレコーディングについてお伺いします。リハーサルスタジオでレコーディングすることで音源ができるだけでなく、練習やプロモーションなどの様々なツールとして活用していただける、そして、音源制作が身近になることでユーザーの活動が活発になる。という構想のもとで、調査や検証を重ねて「デジスタ2.0」というサービスが生まれました。「デジスタ2.0」は、完全セルフレコーディングサービスですが、クラウドナインスタジオさんはセルフレコーディングに関してどのようにお考えですか?

松尾:最近はネット配信が主流になってきていて、自分のPCを持ちこんで音源制作される方が多くなったので、「デジスタ2.0」のようなサービスは時代のニーズに非常にマッチしていると思います。スタジオ側でもレンタルマイクなどと併せて展開することで、ユーザーにさらに便利にお使いいただけるサービスを提供できると思っています。

当スタジオでもドラムマイクセットとかコンデンサーマイクを貸し出ししていますが、「デジスタ2.0」の利用の時は必ずと言っていいほどレンタルされています。特にボーカルレコーディングの時は、コンデンサーマイクとポップガードをセッティングして、雰囲気から入る方も多いですね(笑)。そういう部分も大事だと思っています。また、バンドのアンサンブルの確認などの練習の解析ツールのような使い方としても、非常に有効じゃないでしょうか。

藤原:そうですね。「デジスタ2.0」を導入されて2年がたちますが、導入を決められた理由を聞かせてください。

松尾:3年くらい前からセルフレコーディングの需要が高まってきて、レコーディング用のマイクレンタルも始めました。それと同時にスタジオのユーザーから録音ツールに関する要望が高まっていた時に「デジスタ2.0」の話があって、まさにぴったりなサービスだと感じました。

藤原:ありがとうございます。現在、宮前平、横浜の2店で導入いただいていますが、順調に稼働していますか?

松尾:2店ともに当初の予想の2倍近いくらい稼働してます。そして、導入から時間がたった今でも全く稼働が落ちないので驚いています。システムに大きな問題が起こることもないし、使用しているときにユーザーからの問い合わせも手順ミスによる誤動作以外はほとんどないので、手間もかかってません。当初は使い方やテクニックなどの問い合わせを受けることを危惧していましたが、こんなに問い合わせがないのは驚きでした。正直、こんなに順調に稼働するとは思ってなかったです(笑)。

藤原:私にも想像以上でした(笑)。それは非常にうれしいお話です。ここまで順調に稼動しているのは店頭や web などスタジオ側の努力というのも忘れてはいけないと思いますが、スタッフのみなさんからの評判はいかがですか?

松尾:最初は運用するにあたって期待とともに不安ももちろんありました。でも実際にサービスを導入すると、システムが非常に安定して稼働しているので手もかからないし、スタッフが DAW に興味を持ったり、実際にさわったりして録音を気軽に試せるので、人材育成という意味でも効果があると思います。実際に Cubase を購入したスタッフもいるくらいです。

藤原:なるほど、他に「デジスタ2.0」を導入して何か変わったところはありますか?

松尾:ユーザーからセルフレコーディングに関しての問い合わせが増えました。事前に、何チャンネル録れるのかとか、何が借りられるのかなどの相談です。わざわざスタジオに下見に来る方もいらっしゃいました。リハーサルスタジオの下見は珍しいと思います(笑)。

藤原:どんなユーザーの方が利用されていますか?

松尾:全く音源制作をやったことがない初心者からプロミュージシャンや音源制作上級者の方まで、年齢層も幅広く、高校生から50~60代の幅広いユーザーに利用されています。特に中~上級者の方はいろいろな使い方をされています。ドラムやボーカルだけ録音して、データを持って帰って自宅で続きをやったり、逆に自宅で作ったものの続きをスタジオで行ったり、バンドのデモ音源、オーディション用、CM、演劇の SE など、今までのリハーサルスタジオではなかなか見られなかった使い方をされている方も多くいらっしゃいます。

正直、データの持ち帰りができるので、ご自宅では Cubase 以外のソフトをお使いの方もいらっしゃいます。ただ、「デジスタ2.0」利用マニュアルにデータ互換や注意事項もちゃんと書いてあるので、トラブルになることはないですね。ちゃんとマニュアルに記載していること以外はサポートしないことを打ち出しているサービスなので、良いんだと思います。

藤原:マニュアルに関してお話が出ましたが、「デジスタ2.0」スタジオ専用の2種類のマニュアルに関してはいかがですか?

松尾:利用中の問い合わせもないですし、ある程度つぼを押さえたマニュアルだと思います。また応用マニュアルに書いてあるマイキングや EQ、エフェクトのコツに関しては、参考にされてるみたいです。スタジオとしては助かっています。

藤原:実際に「デジスタ2.0」で録音された音はいかがですか?

松尾:ドラム録音を試してみたときですが、ヘッドフォンで演奏をモニターしていて実際にドラマーが横で叩いていると思ったら、実は録音したものを再生している音だったことがあって、生音と区別がつかなくて驚いたことがあります。疲れて聞き間違えたんですかね(笑)?

藤原:いや、極めて健康な状態だったんだと思います(笑)。他にこのサービスで気に入っているポイントはありますか?

松尾:Yamaha n12 のコンプは感覚的に使えるんで非常に気に入っています。上級者でもお使いいただけるクオリティなのに、初心者の方がコンプを知るきっかけとしても、すごく良いと思います。ほかにも、Cubase 5 のマルチチャンネルエクスポートと LoopMash が気に入ってますけど。

藤原:ありがとうございます。
そういえば期間限定で、Yamaha SUBKICK をお試しいただいてますが…

松尾:SUBKICK は、けっこうメディアでの認知があって、気になってたといわれる方が多いです。知らない人でも他に同じようなタイプのマイクがないって説明すると、けっこう借りられていきます。最初はマイクだと思われない方が多いですけど。(笑)

藤原:そうですね、かなり特殊なマイクですね。SUBKICK の独特な音を皆さんの音源制作に役立ててもらってうれしいです。今後もどんどん「デジスタ2.0」をいろいろなユーザーの方に活用して欲しいですね。

最後になりましたが、クラウドナインスタジオさんの今後の展開やメッセージなどあればお願いします。

松尾:この近年で音楽スタジオに対するニーズも大きく変化してきました。単純に練習ができればよいだけでなく、そこで生まれたものを手早くパッケージして、更に発信ができるトータル的なサービスを提供できたらと考えています。そしてその便利なツールがある時代だからこそ、その手軽さを安易に利用するのではなく、またとらわれすぎず、出音であるユーザーの切磋琢磨した感情を音でどんどん表現していただけたらと思ってます。

藤原:ありがとうございました。

クラウドナインスタジオ 宮前平店

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デジスタ2.0

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