Steinberg Media Technologies GmbH

Creativity First

Beim Strohhause 31
20097 Hamburg

Tel: +49 (0)40 210 35-0
Fax: +49 (0)40 210 35-300

Steinberg Presents Sound Roster 2015.8.11, 8.18 放送回

【ゲストプロフィール】

DJ TAKAKI

http://djtakaki.com/
https://twitter.com/DJTAKAKI

日本トップクラスのターンテーブリスト。世界最大規模の DJ バトル「DMC」において過去、史上最年少となる準優勝を果たす。2014年に行われた FIFA ワールドカップにて、Panasonic 制作によるブラジル代表 Neymar Jr. 公式応援 CM へ出演。YouTube の再生回数は120万回を越え、今、世界中で話題を集めている DJ。

自身の楽曲制作も精力的に行っており、2013年にはロンドンの気鋭ファッションブランド "B side By Wale" 主宰のコンピレーションアルバムに楽曲提供。また国内メジャーアーティスト作品への楽曲提供も多数行っており、ビートメーカーとしてもその高い音楽性とオリジナリティーセンスが評価され注目を集めている。

【放送中インタビュー内容】

- DJ TAKAKI さんは、2015年8月29日に渋谷で行われた DMC JAPAN FINAL という DJ の大会へ、東北の代表としてエントリーされていましたが、まず、DMC とはどういったものなのでしょう?

最近、DJ 達がその技を競い合う大会はすごく増えているんですが、その中でも DMC というのは、世界的に一番歴史が長く、なおかつ、世界各国の代表が、ロンドンに集って世界一まで決めてしまおうという、いわば「最強の DJ バトル」というイメージの大会ですね。
具体的に言うと、曲と曲を混ぜるプレイで競うというより、DJ の特有の2つの技術… スクラッチと、ビートジャグリング(ターンテーブルを2台使って、音を左右にリアルタイムで動かして音を作っていく技術)、この2つを軸に、その人のオリジナリティだとか、その人の音楽性、芸術性… いわばその DJ が持ってる総合力を、各々が6分間の中に込めて、競い合います。
だから、すごくこう、見てる人にはとても分かりやすい大会だと思いますね。

- DMC は、元々はハウス系が中心の、今とは違った雰囲気の大会だったと聞いています。

そうですね、最初は、「ディスコミックスクラブ」っていう、その名前の通り、ミキシングの大会… いわゆる普通の DJ がハウス等の曲を混ぜてつないで、その総合的な部分を競い合っているような大会だったと聞いてるんですけど、ある時を境に、パフォーマンスみたいなスクラッチをやりだす DJ が出てきて…

- かつてはターンテーブルの上で回っちゃう DJ がいた、とも聞いています(笑)。

そうですね(笑)。その、ターンテーブルの上で回ったりだとか、そういうパフォーマンスに特化した時期があって。DMC がスタートしたのが1980年代、85年ということで、当時はブレイクダンスの延長… じゃないですけど、なんかそういう部分があったと思うんです。
でも、今はどんどん進化してて、それぞれの DJ の拘りとか、技術力、音楽性… そして一番みんなが競い合ってるのは、アイディアとか芸術性。まあ、そういう部分が今は一番大事ですね。

- DJ バトルは、どういう形式で行われるんですか?

前はトーナメントで一対一で競い合っていく部門もあったんですけども、今、日本でやっているのは一人6分間の持ち時間でやるコンテスト形式ですね。
これは「シングル部門」といって、これが DMC の花形というか、一番メインの部門ですね。

- では、その6分間の間で審査員の方が点数をつけて、点数で競うってことでしょうか?

そうですね。1位が何点、2位が何点っていう、採点方式で順位をつけていきます。ただ、この技は何点、この技は何点、っていうことではないんですけれど。

- ちなみに、日本人の DJ は、実はすごくレベルが高いと聞いています。

そうなんです。世界一位とってる DJ が何人もいますね。
また、DJ がチームを組んで競い合う部門もあって、そこに出ている HI-C さんと YASA さんが組んでいる Kireek って言うチームは、その世界大会を5連覇している日本のチームです。
あと、今年(2015年大会)ジャッジで入ってもらっている、DJ KENTARO さん、DJ IZOH も、日本人の世界大会のシングル部門のチャンピオンですね。

- ちなみに、TAKAKI さんは過去、史上最年少で DMC に入賞したというプロフィールがありましたが、それは何歳の時でしょう?

それは、僕が、えーっと、16歳の時でしたね。
10年以上も前ですけどね。

- TAKAKI さんは何歳から DJ をはじめたんですか?

何歳だったかな? 10代… 14歳とか、13歳とか、そのくらいに始めたと思います。
きっかけは、DMC とは別の DJ バトルの大会をテレビで放送してたのを、たまたま見たことです。それで、すごく衝撃を受けて、見よう見真似で始めました。

- 最初から、スクラッチとかターンテーブリストの方に、影響を受けたんですね。

はい、でもその延長で、音楽をたくさん知ろうというきっかけになったし、DJ の世界をもっとより深く知っていこうって。ただ、一番最初のきっかけは、やっぱりターンテーブリスト、そのスクラッチとかジャグリングをやる人達の大会を見たのがきっかけでした。

- なるほど。ちなみに、今週の土曜日(2015.8.29)に行われる DMC の Japan Final。選手としての意気込みはどうでしょう?

そうですね、意気込みはもちろんもう、優勝とりにいく気まんまんで、ほんとに全力でやろうと思っています。で、とにかくもう楽しく、自分らしく、自分のいい部分を全面的に出せるような感じで、頑張ります。

- 去年の TAKAKI さんを拝見したんですが、後光がさしてましたね。

(笑)

- いや、ほんとにすごいかっこ良かったですよ。

ありがとうございます!

- そんな TAKAKI さん、DJ バトルと普段の DJ、それぞれどのような点に気を使っているか、教えていただけませんか?

そうですね、たとえば、大会以外で DJ をするときは、普段から、曲の情報とかを定期的にチェックしているんですけど、いわゆる「全体的な風潮」だったり「流行」だったりとか、トレンドみたいなのもやっぱある程度は意識したうえで、だけど、本質的に自分がやりたいことは貫き通してる部分があって。
それは普段 DJ する上でも、そのDJバトルで自分のルーティンを披露するうえでも、どっちにも共通している部分がありますね。

- 普段のクラブプレイでは、どういうセットでやるんですか?

ヨーロッパのダンスミュージックで一番影響を受けたドラムンベースというジャンルがあって。
そのドラムンベースというジャンルを軸に、1時間の持ち時間の中で、曲のテンポが変わる部分もあったり、テクニック的な部分を見せる内容も、もり込んでいく。なんか、そういう感じで1時間作り上げてます。

- その中でご自身の楽曲も、かけたりしますか?

そうですね、たまにかけたりします。

- では、オリジナルのトラックを作る時は、普段、どんな機材・環境で音作りをしていますか?

普段使っているソフト Logic で、あともう一つ、Reason というソフトシンセを Rewire で同期させて制作しています。

- なるほど、サンプリングは使いますか?

声ネタはけっこう、しますね。でも例えば、キックの音色だったり、スネアだったりだとかは、元々ソフトに入っているものを、少し自分でチューニングして使うというパターンが多いですね。

- そのトラックで DJ をやられる。

実際自分の DMC 等でやっている、ルーティンと呼ばれているもので、自分の楽曲を使ってやったりとかもしています。
なので、Shazam(携帯に曲を聞かせると、楽曲の情報が分かるアプリ)とかしても出てこないと思うんですよね。

- クラブで Shazam 使う人多いですよね。DJ やってて、フロアでなんか携帯いじってるなと思ったら、この曲調べられてるみたいな。

結構、DJ の人も Shazam 使ってる人いっぱいいますね。この DJ 聞いて「かっこいいな」と思ったらすぐ、曲の情報が分かるので。

- 曲を作るうえでの、こだわり等はありますか?

昔から通して、一番こだわってきた部分は、オリジナリティ。やっぱ、自分をこう、代表できるような音楽をやろうと思ってて、そこはずっとこだわっています。

- TAKAKI さんが通ってきた音楽で、最も影響受けたものは?

最初は、普通にロックとか聞いてるような少年だったんですけど、電子音楽とかに入って、さっきもちょっと触れたドラムンベースっていうジャンルからの影響がすごく大きいです。
そこが、きっかけで、ヨーロッパの電子音楽をどんどんどんどん深く掘り下げて行ったという。

- トラック制作自体は何歳くらいからやってるんですか?

5~6年前からなんで、20代前半の頃ですね、はい。

- それで、もう楽曲提供等も手がけられ、飛躍していますね。

けっこう、オタク気質っていうか、すごいやりこむんですよ。どんどん本質を知りたがるような感じで、ずっと、やっています。

- ドラムンベースはどういった部分に気を付けて作っていますか?

オリジナリティーを優先してるとはいえど、例えば、ドラム隊はすごくダンスミュージックのマナーに忠実に作る… 余りにも、形がないものを作るんじゃなくて、なんかある程度のルールの中で、自分の色をどんどん出していくというところです。
最初、土台となるキックスネアーを打ち込んだあとに、そこに短いサンプル、一小節のサンプルをそこに被せていって、で、それをなんか、そのサンプルをいろいろ自分で、これが合うんじゃないかこれが合うんじゃないかみたいなのをどんどん探っていって、でなんか、いい感じにまとまったのをドラム隊として使ったりとかしてますね。はい。

- TAKAKI さんの作るサウンドは、主にどこで聴くことができますか?

SoundCloud ですね。僕のウェブサイトから、SoundCloud に飛べます。

- 今、クラブプレイでレギュラーでやっているパーティはありますか?

レギュラーとして出ているのは、日本の DJ 界の大御所、須永辰緒さんが主催している、「夜ジャズ」というパーティーですね。

- そこでは、どういった選曲をしていますか?

ドラムンベースかけてます。でも、なんかけっこう、雰囲気重視の選曲をしたりとかしています。
また、たまにはジャグリング等もしますよ。なんかそこは、ある程度、自分の持ち味は出していこうかなと。

- 今後の展望は、何かありますか?

はい、今年(2015年収録当時)の9月21日、ULTRA JAPAN に出演が決定しました。
ターンテーブリストを代表してちゃんと、盛り上げようと思います!

- 最後に、音楽業界の未来を背負って立つ、未来のサウンドクリエーターや DJ に、アドバイスがありましたらお願いします。

そうですね… 時代の流れとか、そういうのもすごく大事なんですけども、やっぱり、自分がこだわってる部分はやっぱ、貫き通して欲しいと思います。で、その先にね、なんかいいものとか、いい事が、たくさん、待ってるんじゃないかなと思いますので是非是非、頑張って、突き詰めて欲しいです。はい。

- あと、もうひとつお願いします。どうしたら、バトル DJ になれますか?

まあ、ひたすら練習してください(笑)。壁に向かってずっと。

- 壁に向かって(笑)。

はい、最初は見よう見真似で、からでいいんで。とにかく練習を続けることだと思います。

【織田's クエスチョン】

- この夏、TAKAKI さんは、花火大会が楽しめるようなイベントでの DJ プレーをされていましたが、TAKAKI さん自身の夏の花火大会の思い出って何かありますか?

んーなんでしょうね、あのー、線香花火、好きなんで(笑)。

- 意外ですね。

そうですね、やっぱ、線香花火が。
DJ でも自分と向き合うのが結構好きだったりするんで、線香花火している時間と、DJ をしている時間って、なんか、共通する部分があるかなと、ちょっと思ってて… 。
特にターンテーブリストってそうですけど、結構、家で集中して作業したりだとか、練習したりする事が多いので、そんなに花火大会に行く機会もなくて… 。

- デートで行ったこともない?

は、ありますけども。

- ありますね(笑)。

うんん、ありますけど、はい(笑)。

- 今度は恋話、聞かせてくださいね。

(一同笑)

【織田's クエスチョン 2】

- DJ TAKAKI さんは、専門学校でゲスト講師として引っ張りだこで、いろんなところで DJ や音楽を教えてると思うんですが、音楽以外でも、生徒たちに、こういうこと教えられちゃうよ、みたいなことって何かありますか?

音楽以外ですか? あーだと、僕、趣味と言えるものが、一個だけあって。
それがジョギングなんですけど。

- 走ってるんですか?

走ってるんですよ、さっきも触れたんですが、自分と向き合う種目がけっこう好きっぽくて。ジョギングもけっこう、DJ のプレイと共通する部分が、自分の中ではあるなって。
なので、ジョギングのいい走り方とか、そういうのはけっこう、教えられるかなと。
綺麗なフォームとか。

- 朝ラン等も行ってらっしゃるんですか?

あっ、行ってます行ってます。早起きして。