Steinberg Media Technologies GmbH

Creativity First

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三谷秀甫(shuho)さんは、元 AKB48 の Michiru(星野みちる)、愛乙女☆DOLL、佐香智久、WenDee、川嶋あいなど、多数のアーティストへの楽曲提供や編曲を手がけ、最近では TBS の人気恋愛観察バラエティ『恋んトス』の挿入歌を歌い話題となっている "告うたのカリスマガール"、erica の楽曲のサウンドプロデュースなども行う平成世代の新進気鋭の音楽クリエイターです。

今回は、生楽器のダイナミクスを生かしたオーガニックなアレンジを得意とする三谷さんの J-Pop サウンドには欠かせないという、Steinberg のサンプラー&サウンド・クリエイション・システム、HALion の話題を中心に、その魅力や使い勝手、実際の楽曲制作での活用方法などについて、同氏のプライベートスタジオにお邪魔しインタビューを行いました。

コンテストでの入賞をきっかけにプロとして活動を開始

- 若くしてプロクリエイターとして活躍されている三谷さんですが、プロになるきっかけとは何だったのでしょうか?

音楽が好きで中学からギターを弾きはじめて、高校、大学とバンド活動などしていたのですが、ちょうど大学1年の時にリットーミュージックの「最強プレイヤーズコンテスト」にギタリストとして入賞したことが、本格的に音楽活動を始めるきっかけになりました。

- では、コンテスト入賞からすぐにプロとして活動を始められたのですか?

そうでもないです! 最初は、お仕事もいきなりあるわけでありませんでしたので、音楽活動を継続していく中で次第に横の繋がりなどが増えて、徐々にお仕事をいただくようになった感じです。22 歳の時に SME レコーズの新人アーティストだった、佐香智久さんのデビューシングルをお手伝いしたのが、最初の大きなお仕事だったと思います。もちろん、今でも日夜、地道にやっております…。(笑)

- 三谷さんは、学校で音楽を専門に学ばれていたのですか?

いえ、普通科の学校に通ってましたので、音楽や楽器についてはすべて独学です。好きで音楽を聴いたり、楽器を触ったりしているうちに自然に身についていった感じだと思います。僕自身はギタリストなんですが、ロックやポップスに限らず、特にストリングスのサウンドを好きでジャズやクラシックなども聴いてましたから、オーケストレーションなどを含むアレンジの手法についても、最初は見よう見まねで覚えていきました。

- 音楽は独学とのことですが、 DAW ソフトを使った作曲はどのように始めたられたのでしょうか?

学生時代は予算もなかったので、購入したギターエフェクターに付属されていた Cubase LE を使って PC を使った作曲を行っていました。Cubase LE は、入門者向けといった位置づけの製品だったと思うのですが、個人的には比較的自由に使うことができたので、たしか大学生になるくらいまでは、ずっとその環境で音楽制作を行っていましたね。それから、しばらくして Mac に制作環境を移行したのをきっかけに、現在使用している Logic へと DAW ソフトも切り替えました。実は、つい最近友人のクリエイターの家で最新の Cubase を使う機会があったのですが、その進化に愕然としてしまいました!

- 改めて Cubase に触れてみて、魅力に感じられたことなどはありましたか?

細かいところでいうと、大量のプラグインソフトをインストールしている場合、目的の音源やエフェクトを探すのって意外と面倒なんですが、Cubase ではその場で検索できるようになっていたのが、すごく便利でした! 全体的なサウンドも非常にクリアな印象で、チャンネルストリップにサチュレーターやリミッターが搭載されているのも重宝しました。普段、僕は Auto-Tune を使ってボーカルなどのエディットを行っているのですが、VariAudio って機能も超気になりました!(笑)ぜひ、今度じっくり使ってみたいですね。

新進気鋭の音楽クリエイターに聴く HALion の魅力とは?

- 最近では、女子中高生を中心に大きな支持を集めている女性ボーカリスト、 erica さんの楽曲のサウンドプロデュースを手がけられていますよね。

はい。erica さんの楽曲の作曲などを手がけられている音楽プロデューサーの nao (元 I WiSH)さんからお声をかけていただいて、楽曲のアレンジなどサウンド面のプロデュースを担当させてもらっています。ほとんどは、自分のプライベートスタジオでアレンジ作業を行ってしまい、生に差し替えるものだけ、別途スタジオでレコーディングするといったワークフローをとっています。

- erica さんの最新曲『恋花火』などでも、HALion が活躍しているとお聞きしましたが?

そうなんです! かなり前から J-Pop などの歌モノを作る際に、良い意味で脇役に回ってくれるような音源を探していたのですが、なかなか適当な音源がなくて困っていたのです。ちょうど、そこに HALion の最新バージョンが発売されて、まずは試してみようということで、軽い気持ちで使ってみたら、これが僕の求めていたサウンドにジャストフィットしてくれて、すごく気持ち良かったんです! HALion のサウンドは、単体で主張するタイプでなく、他のサウンドを混ぜたりアレンジの中で使用したりすることで真価を発揮するタイプだと思います。

- HALion には、ヤマハのシンセサイザー MOTIF ゆずりのサウンドや機能も多く搭載されていますよね。

僕は、ギター、ベース、ピアノ、オルガン、ストリングスなどの比較的コンテンポラリーな楽器を多用するのですが、最新のソフトシンセの個性的なサウンドは、歌モノではやや自己主張が強過ぎてしまうところがあります。しかし、HALion のサウンドなら生系のアレンジにも違和感なく馴染んでくれるので、非常に使い勝手がいいです。こういったサウンドは、日本製のハードウェアシンセサイザーなどが得意とするところだと思うので、MOTIF 由来の HALion サウンドはちょうど理にかなっていたということだと思います。

コスト面とスペース面の余裕があれば、ハードウェアシンセサイザーや音源ラックを積み上げるようなこともぜひしてみたいですが(笑)、僕らの世代は音楽制作をはじめたときから、すべてがソフトウェアで完結してしまう環境が整っていましたので、目的のサウンドを素早く得ることができるのであれば、ハード / ソフトの差をあまり意識することはないですね。HALion には、日本人の好みに合った「コレ、コレ!」といったサウンドも多数用意されているので、特に J-Pop のアレンジには最適といえるのではないでしょうか。

HALion は "かゆいところに手が届く" ソフトウェア音源!

- 可能であれば、『恋花火』に使用された HALion の音色について、具体的に教えていただけますか?

なんか完全にネタばれになってしまいそうですが…。具体的にはパッドの音色で "Soft Choir Pad"、オブリガート的フレーズに "Wheel Panflutes"、隠し味的サウンドとして "Bell Choir" などを使用しています。『恋花火』の動画(ショートバージョン)が、YouTube でも視聴できますので、どのサウンドがどこに使われているのか、ぜひ皆さんも探して楽しんでみてください!

- HALion を使用するにあたっての、お勧めの活用方法があれば教えていただけますか?

特に、秘密の活用方法などはないのですが、音色作りの一環となってるようなモジュレーション系のエフェクトはそのままに、リバーブやディレイなどの空間系エフェクトは、ミキサーのセンド / リターンで処理することが主なので、オフにして使うことが多いですね。 あと、HALion では、呼び出した音色に対して、それぞれ最適なパラメーターがノブにあらかじめセットされるようになっているので、ちょっと音色をいじりたいといったときは、大概は画面に表示されているノブを少し触るだけで、素早く目的にサウンドにたどり着けるはずです。作曲や編曲をするクリエイターにとって、これはとても重要なことだと思うんですよね。HALion のノブを触るたびに、「あぁ、このプリセットサウンドを作ったサウンド・クリエイターの方って分かってるなぁ!」って感心させられています。(笑)

- 今後の DAW ソフトやソフトシンセに望む機能などはありますか?

個人的には、DAW ソフトやソフトシンセに対して、あまりトリッキーな機能だったり、エポックメイキングな機能を多く求めてはいないので、作曲およびレコーディングのツールとして、より良いサウンドを、より安定した環境で、より直感的に録音できるよう基本機能のさらなるブラッシュアップを希望したいです。その上で、クリエイターの創造力を刺激してくれる "ワクワク" するような新機能の登場にも期待しています。

- それでは、最後にご自身の目標や活動予定などについて教えてください。

サウンドプロデューサーとしては、今後もアーティストの個性とメロディーを大切に尊重しつつ、さらにそれを牽引するようなアレンジやサウンドを目標に、曲作りに取り組んでいきたいと考えています。また、僕自身の今後の目標としては、より多彩なアーティストの方々に、楽曲の提供などを行い、より多くの皆さんに自分の楽曲を聴いていただけるように作家活動にも精進していくつもりです!

『恋花火』プロモーション情報

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