グラミー賞獲得15回、手がけたレコード/ CD の総売上げ5億枚という、音楽界における数々の偉業を成し遂げた David Foster。
10月中旬、16年ぶりとなる奇跡の来日時に、超過密スケジュールの中インタビューを敢行。ヤマハシンセサイザーや Steinberg ソフトウェアについて貴重なコメントをいただきました。
聞き手:ヤマハシンセサイザー・Steinberg 国内商品 MD
本文中の写真:金戸聡和 (marimoRECORDS)
○ 古くは DX7 に始まり、これまで多くのヤマハのシンセサイザーを使用されていると思います。最近のヤマハシンセサイザーにどのような印象をお持ちですか?ステージでも MOTIF XS が見受けられましたが。
確かに私は DX7 をはじめ、ヤマハシンセサイザーを愛用してきた。熱心なヤマハファンだとも言っておこう。MOTIF はグレイトなシンセサイザーだ。つい先日も MOTIF XS 7 を買ったばかりだが、扱いやすい操作性とグレイトなサウンドを兼ね揃えていて、とても素晴らしい。新しい MOTIF XF も購入したいと思っているよ。
○ あなたのエンジニアである Jochem van der Saag 氏のインタビュー記事で、あなたが音楽制作ソフトウェアとして Cubase を用いていることを知りました。 数ある DAW の中でも Cubase を使っている最大の理由は何ですか?
私が直接プログラミングすることはないが、私と7年タッグを組んでいるエンジニアの Jochem は確かにずっと Cubase を使用している。彼は驚異的に腕の立つエンジニアで、彼が私のブレインとしてプログラミングしてくれることで私は演奏やアレンジなど、他の作業に専念できる。そんな彼の選択が Cubase であり、彼も、そして私も Cubase を愛しているよ。
○ 日本のコンポーザーやアレンジャー、プロデューサーを目指す若い方々にメッセージをいただけますか?
知ってのとおり、多くの人が偉大なレコードプロデューサーやソングライターになりたいと思っている。彼らは自分が何をなすべきか自分で判っている筈だ。その上で私が伝えたいことは、どのような分野においても本物といえる人は、悲劇的な状況でも幸運の中でも、土曜も日曜も、常に全力を尽くしているという事だ。なぜかといえば、誰しも "good" にはなり得るが、"great" でなければ本物とはいえないからだ。
もし君の名で仕事をするならば、どんな時でも最善の上にも最善を尽くすべきだ。仕事と共に残る君の名が君のすべてであり、君の評価となっていく。成功の鍵は、仕事のアウトラインを描くことだ。若いうちはただ物事を見つめ、経験を積むだけだろう。だが、やがて本質が見え、目的に簡単に到達できるようになっていくんだ。
最後に、ヤマハの楽器について語ろう。
私は9フィートのピアノを含め、4台のヤマハのアコースティックピアノを所有している。また私は世界中のどこでもヤマハピアノを弾いてきたが、いつも最高のコンディションだ。ヤマハのアコースティックピアノは最高の楽器だ。それに今日こういう機会を持てたのも、私がヤマハファンであることが縁だろう。ヤマハに感謝しているよ。
○ 今日はお忙しい中、どうもありがとうございました。
<プロフィール>
David Foster
約40年のキャリアを誇るカナダ出身のベテランミュージシャンにして、 世界的トップレコードプロデューサー、ソングライター、アレンジャー、キーボードプレイヤー。今までに15のグラミー賞を獲得した他、"カナダのグラミー" と呼ばれるジュノー賞を7回、映像関連のエミー賞を1回受賞。 サウンドトラックも数多く手掛けており、アカデミー賞には3度ノミネートされた。
http://wmg.jp/artist/davidfoster/