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Guy Cuyvers: Cubase と映像音楽

Laura's Star (ローラのおほしさま:Lauras Stern) 続編のサウンドトラックを手がけ、脚光を浴びているベルギーの作曲家 Guy Cuyvers。この映画は Klaus Baugart (クラウス・バウムガート)原作の童話に基づいたドイツ/中国共同制作アニメ映画で、Cuyvers はシリーズ初編のスコアを手がけた Hans Zimmer を受け継ぎました。両者共に熱心な Cubase ユーザー。これは偶然? おそらく違います。

過去20年にわたってコンポーザーとしての名声を築いてきた Guy は、最初クラシックギタリストとしてキャリアをスタートさせました。今では彼は映画音楽を書きつつ一方ではギター曲のアレンジや出版を行い、また自身のバンド Lunes でスペイン、ポルトガル、メキシコやブラジルなどラテン伝統音楽を中心に演奏活動をしています。

Guy、あなたの音楽的背景から最近の仕事にいたるまでを教えてください。

僕は今、ワーナーブラザーズからの依頼の一つ、Lauras Stern 2 の音楽の主題を書き終えたところだよ。独中合作の 3D ムービーだ。シリーズ一作目の音楽を担当した Hans Zimmer を受け継いだんだ。

僕のフィルムコンポーザーとしてのキャリアは、アメリカ映画 Sea Fever を手がけたことで幸先のいいスタートを切った。このおかげで国際的作品 Rising Sun の仕事につながったんだ。

このサウンドトラックは Flemish ラジオオーケストラ とクワイアの録音でポリグラム(現ユニバーサル)からリリースされた。同じオーケストラで一年後、Sea Power のサントラを録音し、結果的に Sea Suites CD のリリースになった。2001年の秋には海の歴史を描いた国際テレビ作品 The Setting Sail のサントラをやり、そのアルバムはアントワープ港湾局の援助で2002年5月にリリースされた。2003年には自分のアコースティックバンド Lunes を結成し、演奏活動を始めた。2005年の5月には最初のアルバムをリリースしたよ。

2008年暮れまでには映画「東海道」の音楽を完成させ、5冊目のギターの本を書き上げた。またギタリストとしては、スパニッシュギターの巨匠 Angel Romero と Pepe Romero に習っていて、1984年には Jose' Thomas のマスタークラスを受け、翌年にはベルギー国営テレビの Tenuto 大会の最終審査に残ったよ。

音楽的教育やトレーニングについて詳しく教えてくれますか?

アントワープの Royal Flemish Conservatory of Music とワシントン DC のアメリカン大学で音楽を専攻したんだ。アントワープでは、ソルフェージュ、ギター、室内楽で首席を取り、音楽の分析と音楽のフォーム、教育学について資格を得た。ワシントンでは、芸術マスタープログラムでギター、高度な作曲法、オーケストラ指揮、音楽芸術のマネージメントについて学んだよ。

人生を音楽に捧げようと思った瞬間や体験は何でしたか?

パコ・デ・ルシアをはじめて聴いた時かな…それまで何年かギターを弾いていたんだが、その時からギターに人生を捧げようと思ったんだ。その時僕は16歳で、作曲や指揮についてはまだ頭になかったんだ。

他に大きな影響を与えたミュージシャンはいましたか?

クラシックギタリストとしてはパコ・デ・ルシアはもちろん、他にはロメロスファミリーと Jurian Bream だね。作曲家として影響を受けたアーティストはあまりに多い。敢えて3つ挙げろと言われれば、ラベル、グリーグ(ノルウェーの作曲家)、そしてイエス(ロックバンド)だね。

最初に観たコンサートはなんでしたか?

クラシックコンサートやギターのリサイタルを別にすれば、最初に観に行ったのはクイーンとイエスだよ。

あなたの作る音楽のスタイルを言葉で表現すると

シンフォニーミュージックの作曲家として以前に、私は室内楽、クワイア、ギター、ミュージカル、そしてバンドの作曲をやってきたんだよ(それが特徴かな)。

どうして音楽をやるのですか?

人々を楽しませるため。

作曲のアイデアはどこから来るのでしょう

アイデアはどこからでも現れるよ。車の中、飛行機の上、うたた寝している間でも… そこでいつでも五線譜を持ち歩いているんだ。

どうやって音楽を具現化しますか?

シンフォニックな映画音楽について言えば、Cubase 5 とオーケストラ音源を使ってプロデューサーに曲のレイアウトを伝えるんだ。こうすればプロデューサーが明確に、その曲をオーケストラで実際に録音した時のサウンドをつかむことができる。

Cubase との最初の出会いは?

大昔になるが、Atari コンピューターで Pro 24 を使いはじめたんだ。確か Cubase はその系列だね、僕はそのまま使い続けてるというわけさ。

Cubase の主な用途は?

主にはシーケンサー、そして楽譜作成のために Cubase を使う。デモのオーディオ録音をすることもあるよ。

何かユーザーに使い方のヒントを貰えますか?

マニュアルを読もう。あれはよく出来てるよ。

Cubase を使うことで開いた音楽的可能性の扉はあると思いますか?

そうだね。作曲している音楽が実際に音になって聴けるのは素晴らしい事だ。20年前は、紙と鉛筆を使って作曲し、よっぽど幸運な人だけがオーケストラやバンドでその曲を演奏してもらう事が出来た。今ではボタンを触れば、楽器を転調する事さえ出来る。

バーチャルエフェクトやバーチャルインストゥルメントはどれをよく使うんでしょう?

エフェクトについては、インストゥルメントに付いているものを使うよ。インストゥルメントは、EWQL Symphonic Orchestra、EWQL Symphonic Choir、RA、Silk、Garritan Personal Orchestra、MOTU Symphonic Orchestra、そしてもちろん、HALion Symphonic Orchestra を使う。

あなたの機材を教えてください。

今はもう、多くのハードウェアは使わない。以前は Proteus のような音源モジュールや拡張ボードを満載した Roland XP、それに20チャンネルの Fostex ミキシングコンソールなどを使っていた…今ではみんな横に退いているよ。Cubase にみんな入っているからね。あとは MIDI 入力用に小さなキーボードがあれば、それにインターフェースなど必要な機能も十分ついているから大きなキーボードやプログラミングなど要らないよ。

コンピューターの設定やスタジオ環境を教えてください。

自宅とポータブルで2つのセットアップを使い分けてる。家では 8コア CPU と 8GB RAM の Windows システムを使ってる。もう一方は 4GB RAM を乗せた MacBook Pro だよ。ただ、4GB の RAM だと EWQL 音源のサンプルを読むには足りなくて、Mac ではだいたい HALion Symphonic Orchestra を使ってるよ。EASTWEST のサンプルに比べて1/20のサイズなのに、サウンドは素晴らしい。とても感謝しているよ!

インターネットと音楽の関わり、そしてネットで音楽を出版する事についてはどう思いますか?

僕には移り変わりが速すぎるよ。毎日新しい何かが可能になっているし、それを理解した頃にはもう次の何かが出ている。

レコード会社やマネージメントは、どのくらいの範囲であなたのアーティスト活動に影響を与えているのでしょうか?

あまりお世話にはなっていないよ。ベルギーという小さな国では映画音楽作家の面倒を見れる事務所はなかなか見当たらないんだ。

音楽におけるあなたの目標はなんでしょう?

映画のためのシンフォニー音楽を書き続け、すばらしいオーケストラで録音したいね。

次のプロジェクトは?

自分のバンドの曲を書くことだよ。

Website: www.guycuyvers.com