詳細
SyncStation は Steinberg と Colin Broad の共同開発による19インチラックマウントシンクロナイザーです。ワードクロック信号の供給、様々なプロトコルによる外部機器との通信および同期を極めて正確に行い、今日の放送、音楽制作やポストプロダクションに必要なオーディオ/ビデオシステムの中心ハブとしてプロフェッショナルの要求を満たすハードウェアです。
- 生産完了 -
サンプル単位の同期
今日のデジタル音楽制作、ポストプロダクションの作業環境においては、全てのオーディオ/ビデオ機器間の正確なクロック同期が必須項目です。とはいえ MIDI タイムコード (MTC) やワードクロック接続では完璧な同期を取るのに十分とは言えません。MTC は数ミリ秒の単位で揺れが生じる場合もあります。
SyncStation はビデオフレームリファレンスのリーディングエッジにオーディオをサンプル単位の精度で揃えることができます。ビデオフレームリファレンス、タイムコード、そしてオーディオクロックを包括的に管理し、接続したオーディオデバイスの間で正確に同期します。また例えばポストプロダクション作業でプルダウンが必要な場合などでも、ビデオシンク、タイムコードそしてオーディオクロックが一元管理できるこのシステムならではのスムーズなワークフローを実現します。
ビデオ/オーディオテープマシンとの同期
アナログビデオ/オーディオテープマシンをデジタルオーディオシステムと同期させるには特殊な作業を必要とします。ほとんどのアナログテープ機器はテープ速度をサンプルクロックにロックする機能を持たないため、Nuendo 側がテープマシンのスレーブとして動作し、LTC やビデオシンクを利用してテープの位置、スピード、フェーズと同期します。またテープマシンは構造上瞬時のロケートができないため、9-pin インターフェースや MIDI マシンコントロールなどのコントロール機能を用いて目的のポジションまで早送り/巻き戻しを指示します。
外部ワークステーションとの同期 (DAW、バーチャル VTR)
SyncStation は MTC、ワードクロック、ビデオシンクなどを使用して他のコンピューターのワークステーション (バーチャル VTR や DAW など) と同期させることが可能です。この際、拡張 System Link を用いてビデオフレームのエッジに対して Nuendo のポジションをサンプル精度でそろえることができます。たとえば MIDI タイムコードを使って Nuendo にポジション情報が送られた場合、数ミリ秒の単位でずれが生じることがありますが、これに対して Nuendo から SyncStation にはサンプル単位のポジション情報が送り返され、SyncStation はここからオフセットを計算し、ポジションを正確に補正します。
マシンコントロール
SyncStation はMIDI マシンコントロール (MMC) と 9-pin (RS422) プロトコルの両方を使ってマシンコントロールのコマンドメッセージを送受信し、Nuendo からオーディオやビデオのテープマシンを制御することができます。システム全体を特定のタイムコードポジションに簡単に合わせたり、マシンコントロールを使ってトラックアーミング(複数トラックを録音待機状態にセット)、Nuendo のパンチ機能を使っての VTR にオーディオ再生を自動的に合わせることも可能です。
- 2個の RS422 ポート (In/Out) を用い、9-pin プロトコルでのマスター/スレーブマシンコントロール
- 2個の MIDI ポートから MIDI マシンコントロール
- マシンコントロールに加え、全てのタイムコード機能も使用可能
拡張 System Link
Steinberg の VST System Link を拡張した SyncStation 独自のプロトコルです。Nuendo を動作させるコンピューターと SyncStation を USB 接続した上で、Nuendo で使用するオーディオデバイスと SyncStation を AES/EBU 又は S/PDIF (コアキシャル、オプティカル) デジタル経由で接続し、拡張 System Link を使用することで、オーディオシステムとシンクロナイザーの間でサンプル単位のポジション情報を交換します。
LTC (Longitudinal Time Code)
SyncStation はアナログテープに記録、再生されたタイムコード (LTC) をテープマシンから受信し、Nuendo をテープマシンのトランスポートに同期させることができます。また SyncStation 自体も LTC を生成できます。
GPIO (汎用入出力インターフェース)
SyncStation は内蔵の GPIO (General Purpose Input/Output) インターフェースを使ってさまざまな外部機器と信号の送受信を行なえます。これにより "On Air" などの表示灯やロックインジケーターの制御、外部コントローラーからの SyncStation の機能制御などが行えます。
- 外部機器との GPIO インターフェース接続には DB-25 コネクターを使用します。