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Steinberg Presents Sound Roster 2016.2.09, 2.16 放送回

【ゲストプロフィール】

佐伯栄一

saekieiichi.com
twitter.com/thepbj
www.facebook.com/officialthepbj

12月10日生まれ
2006年単身渡英し音楽活動を本格的に開始。海外でのフィルムワークや TVCM などの音楽担当。日本テレビ開局60周年舞台真田十勇士の音楽、PlayStation Award2012、総合格闘技RIZINなどの音楽を担当。数々のメジャーアーティストへの楽曲提供等に加え、「The PBJ」として2015年10月7日にリリースしたアルバム「luminosity abundance」が iTunes Store ダンスチャート2位・総合チャート11位にランクイン。最先端のトラックメイカーとして日本、そして世界を視野に様々な活動に手を伸ばしている。

【放送中インタビュー内容】

- 普段、このラジオが放送されている時間(午前2時半)は何をしていますか?

曲を作ってますかね。ちょうど一番調子に乗ってくる時間帯です。はい。

- 佐伯さんが音楽を始めたきっかけを教えてください。

きっかけは、まぁ普通に音楽を聴くじゃないすか。それで子供のころから鍵盤は習っていたので、音楽を聞いた時に自分もできそうだなって(笑)。ははっ。すごい軽いノリです。

- それは何歳頃だったんでしょうか?

「できそうだなー」とか思ってた頃は、まだ中学生くらいです。家にあるエレクトーンみたいなのを弾いて、高校生になってバイトしながら、シンセを買ったりシーケンサーを買って打ち込みして、みたいな。

- 音楽を始めてから、楽曲提供をするようになるまでの経緯を教えてください。

打ち込みしたりするようになったその後に、2年位ロンドンに居たんです。それまでは三人組のバンドみたいなことしかやっていなかったんですけど、その頃から、仕事というか、例えば誰かのファッションショーだったりなんなりに曲を作ったりするような事をやり始めて。それを仕事にしてきた、みたいな感じですかね。

- 初めて楽曲提供をされたお仕事は何だったんでしょうか?

最初にやったのは、ヴェネチアのフィルム、ヴェネチア国際映画祭に短編部門で出展するための短編映画のために作ったのが最初の仕事ですかね。

- 車の CM 曲等も手掛けられていらっしゃいますね。

はい。三菱モーターズの車の CM はこないだやりました。

- 昨年行われた、曙やボブサップ、ヒョードルが参戦した格闘技の「RIZIN」のテーマソングも手掛けられたそうですが、その時のエピソードがあれば教えてください。

エピソードっていうか、曲を作るのが結構大変だったんです。『試合に参加する選手を緊張のもとに送り出す』みたいなイメージだったんですけど、それってどんな曲? って感じで結構大変でした。あとやっぱり、格闘技ファンの方々からは、格闘技団体「PRIDE」のテーマとはどうしても比較されてしまうな、みたいな気持ちがありました。あまり寄せすぎても、遠すぎても、なんて思われるんだろう…みたいな。でも、まぁ思ったより批判が少なくて安心しました(笑)。もっと叩かれるのかな、とか、最悪卵投げつけられるかなーとか思ったんですけど、それはなかったですねー(笑)。

- Youtube に The PBJ の「Running Wild feat.VENIOR」という曲の物凄い PV が上がっていますよね。マウスクリックで360度ぐるぐる回る PV を見て度肝を抜かされました。

そうですね。ほんとは Oculus(オキュラス*)っていう360度見える機械を付けると、もう完璧に、最高に楽しめますよ。
あと、iPhone でも閲覧できるのですが、iPhone を傾けた方向に合わせて方向が変わります。ぐるぐる360度傾いてくれるんで。ぜひそれでも楽しんでもらえたらと思います。
*注:Oculus 社が発売するバーチャルリアリティ向けヘッドマウントディスプレイ。

- 10月7日にリリースされた「luminosity abundance」について教えてください。

まぁ簡単に言うと、カッコいいアルバムですね。簡単に言うと最高のアルバム。

- どんなアーティストが参加されているのでしょうか?

カナダの Mile James ってアーティストだったり、あとは日本人で Mayu Wakisaka とか、IMMI とか、あとハーフの人なんで日本と言っていいか分かりませんが、EMI MARIA。
あとウクライナの人(注: Lily Kremp)だったり、フィンランドの人(注: VENIOR)だったりっていうとこですかね。

- 世界中のアーティストが参加されていますが、どのような人選なのでしょうか?

いろんな人の繋がりで、そこから選んで、って感じですかね。でも基本的に、女性ボーカリストをたくさん入れたいなっていうのはあったんです。
まぁ僕男性なんで、女性がいいかなっていう。あと、あんまり男性ばっかだと「ソッチなのかな?」なんて思われたらヤバイと思ったんで、そのバランスだけ取りたいなって(笑)。

- アルバムに収録されている「IBUKI」という曲が CM ソングになったと伺いました。

そうです。海外の資生堂の、「イブキ」っていう化粧品の CM ソングですね。
日本では流れてないんですけど、アメリカとかヨーロッパでは流れている曲です。

- このアルバムは EDM スタイルだという事ですが、元々 EDM のアーティストとして活動されていたのでしょうか?

元々はもうちょっとテクノとかエレクトロとかです。そこからどんどん EDM に来た感じですね。

- アルバム「luminosity abundance」をリリースする前と後で、人へのプロデュース方法に変化はありましたか?

自分の曲では、ある程度自由にできる部分があると思うんですが、今回のアルバムに関しては、自分の中で、逆に制約を作りました。
やっぱり楽曲提供には枠があるので、その枠の中で、プロとしての最低限のクオリティだったり、相手の要求という部分を埋めた上で、『自分なりに何ができるか』を考えなきゃいけないのが違う部分って感じですかね。
相手が思ってるイメージに対して100点で返しても意味がなくて、150点なり、200点なりで返さないと、次の仕事ってのは無いんじゃないかなっていう。

- アルバム「luminosity abundance」の音作りなどについて色々とお聞きしたいと思います。収録されている12曲の中でインスト、ボーカルの曲が半分ずつくらいですが、構成は曲を作り出す前から決めているのでしょうか?

決めてますね。はい。決めないと構成とかが変わっちゃうので、一応決めて作ります。

- インスト曲、ボーカル曲の製作時に、それぞれ気をつけるところなどはありますか?

コードの流れとかはちょっと気になりますね。やっぱりインストだと成立するものでも、歌ものだと成立しないとかって結構あると思うんすよ。例えば、歌ものでずっと同じコードが鳴ってるとかだと、ちょっと厳しいこともあるので、そういうのは少し意識しますかね。ちょっと表情を付けるみたいな部分を作ります。

- メロディはキーボードを弾いて作っていく感じでしょうか?

そういうわけでもなくて、例えば歌を自分で歌ったり、鼻歌で歌ったりします。鍵盤で作っちゃうと、人が歌えないとか、息継ぎなかったりするメロディ作っちゃうんで。なので、コソッとお風呂で歌ってみたりします(笑)。

- 作曲でメインに使っているソフトを教えてください。また、アルバムを作る時はパソコン一台で完結していますか?

Ableton の Live です。Cubase もゲットはしています。音もいいですし、本当は Cubase に行きたいんですけど、仕事となるとどうしても使い慣れてるものに行ってしまうところがあるので…。勉強したいなと思ってます。
あと、基本的には PC と、鍵盤とスピーカーと、オーディオインターフェースがあればいい、みたいな感じですね。

- 主に使用しているシンセを教えてください。

最近は sylenth1 が多いですかね。あとは、例えばこの音だったらこのシンセ、ピアノだったら多分これ、ってのはあります。まぁプラグインですけど。最近は基本的に sylenth1 でやっちゃうのが多いっすね。

- レコーディングは自宅で行っているんですか?

レコーディングは歌を録ったりってことですよね? そういうのは外です。トラックは家で作っちゃいます。

- 海外ボーカルの方が結構参加されていますが、送られてきた音声を処理しているんですか?

色々ですけど、基本的にメールベースでやり取りして進めます。
『Running Wild』でいうと、「~Running Wild」って歌う部分があるんです。
そこの部分で、最初に来たのが「ラブマシーン」なんです。「ラブマッシーン」って歌ってるんですけど、それちょっと日本的にまずいよってことで、違うのにしようって(笑)。
そういうやり取りをします。ははは。

- ミックスもご自身で行われるんですか?

基本的には自分でもやるんですけど、今回は他の人にしてもらったりです。
『DOI』のドイさんにもやってもらったりとか。
何でも自分で全部できちゃうんですけど、そうすると外の世界に広がらないというか、客観視が出来ないなっていうのもあったんです。
ボーカルに関しても、個人的には全部インストでも良かったんですけど、そういう風に色々入った方が色々な世界観が出るかなっていうとこすかね。

- お薦めのエフェクターなどはありますか?

Fabfilter ですかね。色々買うんですけど、イコライザーとか、リミッターにしろ、コンプレッサーにしろ、基本的に Fabfilter 一辺倒みたいになってきちゃってます。軽いし、音質もあんまり変わらないので、使い易いなっていうとこですかね。

- オーケストラのような楽曲をお仕事で手掛けられていましたが、どういう作り込みをするのでしょうか?

ライブの時は、家で Kontakt (Native Instruments) で普通にストリングスを打ち込みます。そして最終的に生で録ります。13人ぐらいのストリングスと、6人くらいのブラス、20人くらいの合唱隊。あとスネアも生ですね。可能であれば全部人間の力で、生でやりたい派ですが、予算とかもあるので。

- 楽器は元々演奏されるんですか?

はい。鍵盤は弾けるんで今回のアルバムは、基本的には全部打ち込んでます。まぁ、声だけはアレですけど。

- 今までで一番印象に残っている仕事は何でしょうか?

印象に残っているのは『PlayStation Awards 2012』の音楽を担当した時ですね。
小さい仕事しかしてなかったところにいきなり来たので、自分の中でちょっと感動したっていうか、印象に残ってるっていうか、分岐点っていうか。はい。

- 様々な楽曲を作り続けるための、モチベーション維持する秘訣はありますか?

モチベーションですか。
近い友達とかにはよく言うんですけど、基本的に『イチロー』と『羽生善治』のドキュメンタリーを見てから一案件始めます。あの人たちほんとにストイックすぎてすごいんですよ。あれを見ると「まだまだだな、俺、もっとストイックにしないと」みたいな感じで、すげー引き締まるので儀式化しちゃって、見すぎちゃってます(笑)。
それが、集中する秘訣かなって。後は、カレーしか食べないとか。

- カレーしか食べないのですか?

はい。他の食べ物の事を考えないで良いので、その仕事が終わるまでは、カレーしか食べません。
仕事してる時に「夜何食べよう」って思っちゃったら、気が散っておしまいなので。あと、美味しいから意外にいいじゃん、みたいな(笑)。あはははは。

- カレーの CM もぜひやっていただきたいですね。

やります。これはもう。

- 佐伯栄一さんから今後のお知らせ等何かありましたら、お願いします。

今後のお知らせはたくさんあるので、Twitter や Facebook 等をチェックしていただくか、インターネットで「佐伯栄一」で調べてくれれば、佐伯栄一ドットコムが出ます。PBJ とか個人的なものも全部見れるので。ぜひチェックしてください。

- それでは最後に、音楽業界を背負って立つ未来のミュージシャンにアドバイスがありましたらお願いします。

はい。とりあえずたくさん曲を作る事ですかね。曲をたくさん作っていたら色々見えてくるんじゃないかなと。僕も高校生の頃にがむしゃらに曲を作ってたんですけど、そういう時期って必要かな、と思います。数をこなせば色々見えてくると思います。

【織田's クエスチョン】

- SNS で『ドラえもんを一緒に観てくれる人が好き』だと発信されていましたが、他にも好きなものやこだわりがあれば、詳しく教えてください。

こだわりですか、なかなか難しいこと言いますね。そうですね。女性のタイプってことであれば、ほっといてくれる人がいいっす。

- 干渉されないという事ですか?

曲作ってる人って、多分みんなそうだと思うんですけど、干渉されすぎるとなんか辛くないですか? だから、ある程度ほっといてほしいなーみたいな。

- 放っといても平気な人がいいという事でしょうか。

そうっすそうっす。ほっといて心配になっちゃうような人だったら嫌だな、みたいな。

- 曲作るとき集中しないといけないですもんね。

俺すぐ気が散っちゃうんで、集中する時はパソコンの画面も真っ暗にして、時計とかも置かないようにして、全くそういうものが入ってこないようにしてるですよ。ストイックすぎるんですよね、俺って。あはははは。嘘です。

(一同爆笑)

だからそういう風に気が散らない人がいいかなっていう。

- お互いに干渉しすぎない、自立してるような感じですね。

そうですね。そういう人がいいっす。

【織田's クエスチョン 2】

- SNS で「最高な曲を作って肉寿司を食いに行ってやる」と発信されていたのですが、もしも今、超多額のお金が手に入ったとしたら、他に手に入れたい物や、食べたい物は何かありますか?

えっと~、家が欲しいっす。あ、もちろん今住んでるのも家なので、公園とかには住んでないですよ、皆さん(笑)。今の僕の家って、マンションの一階と地下一階みたいな部屋なんですよ。地下が防音的な感じになっていて、一応音を鳴らせるんですけど、お金があったらちゃんとしたプライベートスタジオが欲しいなって思いますね。
あと食べたいものは、やっぱ肉寿司。

- まだ食べたことはないのでしょうか?

肉フェスみたいな屋台的なところのしか食べたことないんです。なので、ちゃんとしたお店で肉寿司を食べたいです!