DAW コンポーネント
2009/12/22 更新
Steinberg ソフトウェアは、基本的に製品パッケージに記載された動作環境を満たすコンピューター上で動作します。様々な用途や予算に合ったコンピューターが販売されている今日、手頃な価格の小規模プロジェクト用コンピューターから音楽スタジオや映画制作スタジオで使用されるマルチプロセッサー システムまで多くの選択肢があります。また高機能モバイル用システムを使って、ステージでの活用やスタジオ外での音楽制作も一般化してきました。
ソフトウェアの使用目的によって、コンピューターに要求する仕様は変わってきます。またその仕様はプロジェクトの種類によっても変わります。ビット数、サンプリングレート、トラック数、プラグイン数、同時発音数など、いくつもの関連要素もパフォーマンス面において仕様に影響を及ぼすため、高いパフォーマンスを必要とするプロジェクトを扱うときは特に、用途に合ったコンピューターを選ぶことが重要です。
はじめに、コンピューターでどの程度の作業を行なうのか把握しましょう。作業内容によってハードウェア構成が大きく違ってくるためです。例えば VSTi を沢山使用したい場合は、高速なハードディスク、大量の RAM 、および比較的高速な CPU が必要です。一方、純粋にオーディオ録音システムとして使用するのであれば、トラック数やフォーマットによっては高速なハードディスクが必要ですが、CPU に関してはずば抜けて高速なものは必要ないでしょう。
さらにシステム全体の利便性を検討する上で、必ず作業を行う環境も考慮に入れてください。一般的に、システムが高機能化するほどシステムが発生する騒音が大きくなってしまいます。これはパフォーマンスの高いハードウェアは通常より強力な冷却を必要とするためです。バッテリー駆動させるモバイルシステムの場合、特にゲーム用の高速なグラフィックカードを搭載したノートパソコンは、電力をより多く消費するためにシステム全体の処理に伴うレイテンシーを起こしてしまうことも考えられます。
つまり、最速のシステムが必ずしもあなたにとって最適なシステムとは限らない事がお分かりいただけるでしょう。
各製品ページやパッケージに記載される動作環境の補足情報として、下記情報をお役立てください。
プロセッサー
Steinberg 製品は、下記リストに掲載している一般的な CPU (プロセッサー)で動作します。CPU の性能は、処理速度が重要な要素になる他、コア数やプロセッサーの数にも左右されます。表はそれぞれの CPU の概略をまとめています。脚注もご参照ください。
表記は以下に準じます。
コア数: Dual =デュアルコア(2コア)、 Quad =クアドコア(4コア)、Octo =オクトコア(8コア)
パフォーマンス: ( 低い ← ) -- < - < 0 < + < ++ ( → 高い )
AMD | カテゴリー | コア数 | パフォーマンス |
|---|---|---|---|
Athlon 64 X2 | Desktop | Dual | + |
Athlon 64 FX | Desktop | Dual | + |
Phenom | Desktop | Quad | ++ |
Turion 64 X2 | Mobile | Dual | + |
Opteron | Desktop | Dual / Quad | ++ |
Intel | カテゴリー | コア数 | パフォーマンス |
|---|---|---|---|
Core 2 Duo | Desktop | Dual | + |
Core 2 Extreme | Desktop | Dual | + |
Core 2 Quad | Desktop | Quad | ++ |
Core 2 Duo | Mobile | Dual | + |
Xeon | Desktop | Dual / Quad | ++ |
Core i7* | Desktop | Quad | ++ |
Core i7 Extreme Edition* | Desktop | Quad | ++ |
* Hyper-Threading をサポートする CPU: こちらをご参照ください。
Apple (Intel CPU) | カテゴリー | コア数 | パフォーマンス |
|---|---|---|---|
iMac Core 2 Duo | Desktop | Dual | + |
MacBook | Mobile | Dual | 0 |
MacBook Pro | Mobile | Dual | + |
Mac Mini | Desktop | Dual | 0 |
Mac Pro | Desktop | Quad / Octo** | ++ |
Mac Pro (Nehalem 2009/03)* | Desktop | Quad / Octo** | ++ |
* Hyper-Threading をサポートする CPU: こちらをご参照ください (重要)。
** = クアドコア x 2: こちらをご参照ください。
これら Intel CPU 搭載 Mac への対応状況はこちらに記載しています。
チップセット
どのマザーボードにも搭載されているチップセットは、DAW (デジタル オーディオ ワークステーション) において最も重要な部分のひとつです。チップセットはコンピューターシステムの構成部品 (例:プロセッサー、システムバス、周辺機器等) 同士の信号の行き来を制御しますが、オーディオデバイスとの統合性もここに左右される為です。特に Windows PC の環境では、Intel、AMD、nVidia、SiS、そして VIA 等、様々なメーカーのチップセットが存在します。我々の経験上言える事ですが、全てのチップセットが同じようにオーディオアプリケーションに適しているわけではありません。
ハードディスク、オーディオデバイス、DSP カードとのやり取りにおいて、低いレーテンシーと高いトランスファーレートが要求されるオーディオプロダクションでは、特定のチップセットやマザーボードが推奨、また非推奨となります。これはソフトウェアとハードウェアというより、ハードウェア同士の相性の問題である為、オーディオデバイス、DSP カードの導入のご検討にあたっては、製造業者へお問い合わせください。業者は、推奨のチップセット、また避けるべきチップセットの情報を提供してくれる事でしょう。Steinberg の DAW アプリケーションの能力を発揮する為には、相性良く、また良く設定されたハードウェアが重要な基礎となるのです。
ハードディスク
Steinberg 製品は原則として、現在販売されているすべてのコンピューターに搭載されるハードディスクで使用することができます。オーディオトラック数が非常に多い、高負荷のプロジェクトで使用する場合、ディスクストリーミング技術を用いる VST インストゥルメント (VSTi) を使用する場合、ソフトウェアサンプラーのサンプルコンテンツ保存メディアとして使用する場合のハードディスク性能は、以下の要素に依存します。
回転速度:まずは 4,200 RPM (Revolutions Per Minute、RPM、r/min、min-1 などと略記されます) のハードディスクを搭載するノートパソコンから考えてみましょう。回転速度 (RPM) は、ハードディスクが同時に記録や再生を行うことができるオーディオトラック数に直接影響を及ぼします。4,200 RPM のハードディスクはデータ転送速度がボトルネックとなり、高いパフォーマンスが期待できないため、小規模なオーディオプロジェクトまでの使用をおすすめします。一部のメーカーより販売されているノートパソコンのうち数機種には 5,400 RPM 以上 のハードディスクが搭載されており、オーディオトラック数を確保する面では要件を満たしているといえます。多数のトラックを含むオーディオシステム用などにプロフェッショナルクラスのパフォーマンスを求める場合は、7,200 RPM 以上のハードディスクを搭載するノートパソコンが必要でしょう。また、ハードディスクのパフォーマンスを十分に確保するもう一つの選択肢は、データスループットが高い外付けハードディスクを FireWire、または USB 2.0 で接続することです。
デスクトップシステムをお考えの場合、7,200 RPM 以上のハードディスクを使用してください。通常 7,200 RPM のハードディスクは、多数のオーディオトラックを持つ高負荷プロジェクトを取り扱いながら、サンプルデータを VSTi へ供給するのに十分なデータスループットを備えています。もちろん、負荷があまりにも高く、それでも処理が追いつかない場合には、より性能が高いシステムが必要になります。オーディオデータのスループットを向上させる別の手段は、複数のハードディスクを使用することです。また、OS およびアプリケーションのインストール専用にハードディスクを一台、そしてオーディオデータ用にもう一台といったように、複数のハードディスクを設けることで問題を解決できる場合があります。ソフトウェアサンプラーを頻繁に使用する場合には、サンプルコンテンツ専用にもう一台ハードディスクを増設すると良いでしょう。
キャッシュ: ハードディスクにはキャッシュと呼ばれるバッファメモリが搭載されており、 ハードディスクのアクセス速度に影響を与えます。一般的にキャッシュサイズが大きいほど、大量のデータを取り扱うためのハードディスク性能が高くなるといえます。オーディオ分野においては、8MB 以上のキャッシュが効果的であるといわれています。通常デスクトップコンピューターにインストールされているハードディスクには 2MB から 4MB のキャッシュが搭載されています。一方でノートパソコンに搭載されるハードディスクのキャッシュはそれよりも大幅に小さくなります。ハードディスクをソフトウェアサンプラーのサンプルコンテンツのストリーミング用として使用する場合には、キャッシュサイズに注意してください。回転速度と同様に、 VSTi (HALion など) の再生中などには、同時に読み込み可能な各サンプル量にキャッシュのサイズが直接的に影響を及ぼします。
インターフェース: 高いパフォーマンスを追求した DAW をお考えの場合、ハードディスクの接続方式は特に重要です。元来パラレルプロトコルとして考案された ATA 規格ですが、近年シリアルバージョンである S-ATA プロトコルが登場し、S-ATA は現在、Mac および PC システムで幅広く使用されています。さらに高いデータスループットと最適化されたディスクドライブアドレッシング (例:NCQ 、Native Command Queuing の略記、SCSI 規格の技術を参考に考案された技術) を誇る S-ATA II は、より進化したインターフェース規格です。現在では、コンピューターをハイパフォーマンスのオーディオワークステーションとして使用する際に、 SCSI システムを用意する必要がなくなりました。SCSI 規格は非常にパワフルな技術ではありますが、その価格の高さからコストパフォーマンスがそれほど高くないといわれています。SCSI ハードディスクには最高 15,000 RPM の回転数を誇る機種もあり、価格を考慮せずにパフォーマンスのみを追求する場合、SCSI ハードディスクは選択肢の一つになりますが、このようなシステムには発熱やノイズレベルの増加が伴うことも忘れないでください。スタジオネットワーク用に非常に効率の良いメディアサーバを構築したり、数百にも及ぶトラック数を使用した大規模なレコーディングセッションを行う場合などには、SCSI やそのシリアルバージョンの後継規格 SAS (Serial Attached SCSI) は良い選択肢となります。あるいは、複数の S-ATA ハードディスクを接続した RAID システムを構築するという方法もあります。
RAM
Steinberg アプリケーションには少なくとも 512MB の RAM (ランダム アクセス メモリ) が必要となります。しかし、動作中のすべてのアプリケーションやオペレーティングシステムも同時にメインメモリへアクセスを行うため、RAM を増設することをおすすめします。また、大規模なプロジェクトの場合などには、1GB という大量のメインメモリを搭載しても満足のゆくシステム パフォーマンスを得られないことがあります。これは、VST インストゥルメントやオーディオプロジェクトがオーディオサンプルをメインメモリへ展開し、そこから読み込みを行うためです。搭載される RAM の容量が大きくない場合、そこにバッファされる素材の量が少なくなり、低速なハードディスクを介して扱われます。したがってアクセスにより長く時間がかかることになります。通常の環境では、Steinberg の Cubase / Nuendo の現行バージョンと併せて使用する際、Windows 2000 および Windows XP では最大 2GB の RAM を、Mac OS X では最大 4GB、Windows Vista 64 ではそれ以上の RAM を扱うことが可能です。また、より多くの RAM を搭載することでシステム全体のパフォーマンスを向上させることができます。
オーディオデバイス
コンピューター用の主要なインターフェースに対応したオーディオデバイスが各社からリリースされています。
- USB 1.1
- USB 2.0
- FireWire 400 (IEEE 1394)
- FireWire 800 (IEEE 1394b)
- PCI
- PCIe
- PCMCIA
インターフェースの選択には、用途や使用するコンピューターシステムを考慮する必要があります。例えば、Apple の最新機種には PCI スロットが装備されておらず、Windows PC の中には FireWire 端子を内蔵していない機種などがあるためです。また、ASIO 2.0 (Windows PC) または Core Audio (Mac) ドライバに対応しているデバイスを強く推奨します。これらのドライバは、CPU への低負荷時においてレイテンシーを極めて低く抑えることができる為です。特に VST インストゥルメントを使用したり、ソフトウェア経由でレコーディング中のオーディオをモニタリングする場合などには、レイテンシーを数ミリ秒以下に設定しないと実際の音と発音タイミングにズレが生じ、うまく作業を進めることができません。たとえば 1.5 ミリ秒などという、極めて低いレイテンシーを実現するには、良く構成された高性能システムと同様に、オーディオデバイスと、そのドライバの性能もトータルで構築されている必要があります。
グラフィックカード
現在、主要なグラフィックカードメーカー (nVidia 、ATI 、Matrox) から安定したドライバが提供されており、グラフィックカード用ドライバの互換性に悩まされることは殆どありません。また、それぞれのメーカーから、マルチモニターに対応したカードが発売されています。DVI、VGA だけでなく、HDMI や DisplayPort 接続に対応したカードも出回っています。
Apple コンピュータ用のオペレーティング システム
基本的には最新の Apple の Mac OS バージョンを推奨しています。各製品の動作環境に特別な表記がない限り、現在の Steinberg 製品は最新の Mac OS X バージョンとより良い互換性があります。
* Mac OS X 10.6 Snow Leopard 対応のアップデータをダウンロードページより配布中です。
PC システム用のオペレーティング システム
現行版の Steinberg 製品は Windows XP Professional、または Windows XP Home Edition のシステムで動作します。可能な限り SP2 (サービスパック 2) にアップデートした状態でご使用ください。また、Windows XP Media Center、Tablet PC Edition、Windows Server System には公式対応しておりませんのでご注意ください。動作環境にサポート OS として記載されている特定の製品を除き、Windows 2000 に関しては動作保証を終了しております。また Windows XP 64 bit も、公式にはサポートしておりません。
現行製品は Windows Vista、Windows 7 にも対応しています。またいくつかの製品は、ネイティブ 64bit バージョンも提供しております。詳しくは各製品ページをご参照ください。
* Windows 7 対応のアップデータをダウンロードページより配布中です。
