DAW コンポーネント
2008/12/01 更新
Steinberg ソフトウェアは基本的に、製品パッケージに記載された動作環境を満たす標準的なコンピュータ上で実行することができます。さまざまな用途や予算に合ったコンピュータが販売されている今日、手頃な価格の小規模プロジェクト用コンピュータや、音楽スタジオや映画製作スタジオで使用されるようなマルチプロセッサー システムが購入しやすくなってきています。また、高機能モバイル用システムも販売されており、ステージでの Steinberg ソフトウェアの活用やスタジオ外での音楽制作が行なえるようになってきました。
ソフトウェアの使用目的によって、コンピュータを使ったシステムに対して要求する仕様が変わってきます。また、その仕様はプロジェクトの種類によっても変わってきます。ビット数、サンプリングレート、トラック数、プラグイン数、同時発音数など、いくつもの関連要素もまたパフォーマンスの面において仕様に影響を及ぼすため、高いパフォーマンスを必要とするプロジェクトを実行する場合は特に、ご自分の用途に合ったコンピュータを選ぶことが重要です。
まずはじめに、コンピュータ システム内でどの程度の作業を行なうのか把握する必要があります。作業内容によってハードウェア構成が大きく違ってくるためです。例えば、VST インストゥルメントを沢山使用したい場合は、高速なハードディスク、大量の RAM 、および比較的高速な CPU が必要です。また、純粋にオーディオ録音するシステムとして使用するのであれば、トラック数やフォーマットによっては、高速なハードディスクが必要ですが、CPU に関してはずば抜けて高速なものを搭載する必要はないでしょう。
さらに、システム全体の利便性を検討する際には、必ず作業を行う環境も考慮に入れてください。一般的に、システムが高機能化するほどシステムが発生する騒音が大きくなってしまうものです。これは、パフォーマンスの高いハードウェアは、通常より強力な冷却を必要とするためです。バッテリー駆動させるモバイルシステムの場合は、特にゲーム用の高速なグラフィック カードを搭載したノートパソコンは、電力をより多く消費するためにシステム全体に処理に伴うレイテンシーを起こしてしまうことも考えられます。
以上のことから、最速のシステムが最適なシステムとは限らないことがお分かりいただけるでしょう。
各製品紹介ページや製品パッケージに記載される スタインバーグ製品の動作環境の補足情報として、下記情報をお役立てください。
プロセッサー
Steinberg 製品は、下記リストに掲載している一般的な CPU (プロセッサー)で動作します。プロセッサーの選択は、処理速度が重要な要素になります。
表記は以下に準じます。
カテゴリー: D = デスクトップ、 M = モバイル、 S = サーバ
コア数: S = シングルコア(1コア)、 D = デュアルコア(2コア)、 Q = クアドコア(4コア)
パフォーマンス: ( 高い ← ) ++ > + > 0 > - > -- ( → 低い )
| AMD | カテゴリー | コア数 | パフォーマンス |
|---|---|---|---|
| Athlon 64 X2 | D | D | + |
| Athlon 64 FX | D | D | + |
| Phenom | D | Q | ++ |
| Turion 64 X2 | M | D | + |
| Opteron | S | D/Q | ++ |
| Intel | カテゴリー | コア数 | パフォーマンス |
|---|---|---|---|
| Core 2 Duo | D | D | + |
| Core 2 Quad | D | Q | ++ |
| Core 2 Extreme | D | Q | ++ |
| Core 2 Duo | M | D | + |
| Xeon | S | D/Q | ++ |
| Core i7* | D | Q | ++ |
| Core i7 Extreme Edition* | D | Q | ++ |
* Hyper-Threading をサポート
| Apple (Intel CPU) | カテゴリー | コア数 | パフォーマンス |
|---|---|---|---|
| iMac Core 2 Duo | D | D | + |
| MacBook | M | D | 0 |
| MacBook Pro | M | D | + |
| Mac Mini | D | D | 0 |
| Mac Pro | D | Q/Q** | ++ |
** = クアドコア x 2
これら Intel CPU 搭載 Mac への対応状況に関してはこちらをご参照ください。
チップセット
どのマザーボードにも搭載されているチップセットは、DAW (デジタル オーディオ ワークステーション) において最も重要な部分のひとつです。チップセットはコンピュータシステムの構成部品 (例:プロセッサー、システムバス、周辺機器等) 同士の信号の行き来を制御しますが、オーディオデバイスとの統合性もここに左右される為です。特に Windows PC の環境では、Intel、AMD、nVidia、SiS、そして VIA 等、様々なメーカーのチップセットが存在します。我々の経験上言える事ですが、全てのチップセットが同じようにオーディオアプリケーションに適しているわけではありません。
ハードディスク、オーディオデバイス、DSP カードとのやり取りにおいて、低いレーテンシーと高いトランスファーレートが要求されるオーディオプロダクションでは、特定のチップセットやマザーボードが推奨、また非推奨となります。これはソフトウェアとハードウェアというより、ハードウェア同士の相性の問題である為、オーディオデバイス、DSP カードの導入のご検討にあたっては、製造業者へお問い合わせください。業者は、推奨のチップセット、また避けるべきチップセットの情報を提供してくれる事でしょう。Steinberg の DAW アプリケーションの能力を発揮する為には、相性良く、また良く設定されたハードウェアが重要な基礎となるのです。
ハードディスク
Steinberg 製品は原則として、現在販売されているすべてのコンピュータに搭載されるハードディスクで使用することができます。オーディオ トラック数が非常に多い、高負荷のプロジェクトで使用する場合、ディスク ストリーミング技術を用いる VST インストゥルメントを使用する場合、ソフトウェア サンプラーのサンプル コンテンツ保存メディアとして使用する場合のハードディスク性能は、以下の要素に依存します。
回転速度:まずは 4,200 RPM (Revolutions Per Minute、RPM、r/min、min-1 などと略記される場合があります) のハードディスクを搭載するノートパソコンから考えてみましょう。回転速度 (RPM) は、ハードディスクが同時に記録や再生を行うことができるオーディオ トラック数に直接影響を及ぼします。4,200 RPM のハードディスクはデータ転送速度がボトルネックとなり、高いパフォーマンスが期待できないため、小規模なオーディオ プロジェクトまでの使用をおすすめします。一部のメーカーより販売されているノートパソコンのうち数機種には、5,400 RPM 以上 のハードディスクが搭載されており、オーディオ トラック数を確保する面では要件を満たしているといえます。多数のトラックを含むオーディオ システム用などにプロフェッショナル クラスのパフォーマンスを求める場合は、7,200 RPM 以上のハードディスクを搭載するノートパソコンが必要でしょう。また、ハードディスクのパフォーマンスを十分に確保するもう一つの選択肢としては、データスループットが高い外付けハードディスクを FireWire、または USB 2.0 で接続することが挙げられます。
デスクトップ システムをお考えの場合、7,200 RPM 以上のハードディスクを使用してください。通常 7,200 RPM のハードディスクは、多数のオーディオ トラックを持つ高負荷プロジェクトを取り扱いながら、サンプル データをVST インストゥルメントへ供給するデータ スループットを備えています。しかしながら、もちろん負荷があまりにも高い場合はそのようなハードディスクを使用していても処理が追いつかない場合もあるので、より性能が高いシステムが必要になります。その他のオーディオ データのスループットを向上させる手段としては、複数のハードディスクを使用することが挙げられます。また、OS およびアプリケーションのインストール専用にハードディスクを一台、そしてオーディオデータ用にもう一台といったように、複数のハードディスクを設けることで問題を解決できる場合があります。ソフトウェア サンプラーを頻繁に使用する場合には、サンプル コンテンツ専用にもう一台ハードディスクを増設すると良いでしょう。
キャッシュ: ハードディスク にはキャッシュと呼ばれるバッファ メモリが搭載されており、 ハードディスクのアクセス速度に影響を与えます。一般的にキャッシュ サイズが大きいほど、大量のデータを取り扱うためのハードディスク性能が高くなるといえます。オーディオ分野においては、8MB 以上のキャッシュが効果的であるといわれています。通常デスクトップ コンピュータにインストールされているハードディスクには 2MB から 4MB の キャッシュが搭載されています。一方でノートパソコンに搭載されるハードディスクのキャッシュはそれよりも大幅に小さくなります。ハードディスクをソフトウェア サンプラーのサンプル コンテンツのストリーミング用として使用する場合には、キャッシュ サイズに注意してください。回転速度と同様に、 VST インストゥルメント (HALion など) の再生中などには同時に読み込み可能な各サンプル量に、キャッシュのサイズが直接的に影響を及ぼします。
インターフェース: 高いパフォーマンスを追求した DAW をお考えの場合、ハードディスクの接続方式は特に重要です。元来パラレルプロトコルとして考案された ATA 規格ですが、近年シリアルバージョンである S-ATA プロトコルが登場し、S-ATA は現在、Mac および PC システムで幅広く使用されています。さらに高いデータスループットと最適化されたディスクドライブアドレッシング (例:NCQ 、Native Command Queuing の略記、SCSI 規格の技術を参考に考案された技術) を誇る S-ATA II は、より進化したインターフェース規格です。現在では、コンピュータをハイパフォーマンスのオーディオワークステーションとして使用する際に、 SCSI システムを用意する必要がなくなりました。SCSI 規格は非常にパワフルな技術ではありますが、その価格の高さからコストパフォーマンスがそれほど高くないといわれています。SCSI ハードディスクには最高 15,000 RPM の回転数を誇る機種もあり、価格を考慮せずにパフォーマンスのみを追求する場合、SCSI ハードディスクは選択肢の一つになりますが、このようなシステムには発熱やノイズレベルの増加が伴うことも忘れないでください。スタジオネットワーク用に非常に効率の良いメディアサーバを構築したり、数百にも及ぶトラック数を使用した大規模なレコーディングセッションを行う場合などには、SCSI やそのシリアルバージョンの後継規格 SAS (Serial Attached SCSI) は良い選択肢となります。あるいは、複数の S-ATA ハードディスクを接続した RAID システムを構築しても、同様の目的に使用できます。
RAM
Steinberg アプリケーションには少なくとも 512MB の RAM (ランダム アクセス メモリ) が必要となります。しかし、動作中のすべてのアプリケーションやオペレーティングシステムも同時にメインメモリへアクセスを行うため、RAM を増設することをおすすめします。また、大規模なプロジェクトの場合などには、1GB という大量のメインメモリを搭載しても満足のゆくシステム パフォーマンスを得られないことがあります。これは、VST インストゥルメントやオーディオプロジェクトがオーディオサンプルをメインメモリへ展開し、そこから読み込みを行うためです。搭載される RAM の容量が大きくない場合、そこにバッファされる素材の量が少なくなり、低速なハードディスクを介して扱われます。したがってアクセスにより長く時間がかかることになります。通常の環境では、Steinberg の Cubase / Nuendo の現行バージョンと併せて使用する際、Windows 2000 および Windows XP では最大 2GB の RAM を、Mac OS X では最大 4GB、Windows Vista 64 ではそれ以上の RAM を扱うことが可能です。また、より多くの RAM を搭載することでシステム全体のパフォーマンスを向上させることができます。
オーディオ デバイス
現在は、コンピュータ用のすべての主要なインターフェースに対応したオーディオ デバイスが各社からリリースされています。
- USB 1.1
- USB 2.0
- FireWire 400 (IEEE 1394)
- FireWire 800 (IEEE 1394b)
- PCI
- PCMCIA
インターフェースの選択には、用途や使用するコンピュータ システムを考慮する必要があります。例えば、Apple の最新機種には PCI スロットが装備されておらず、Windows PC の中には FireWire 端子を内蔵していない機種などがあるためです。また、ASIO 2.0 (Windows PC) または Core Audio (Mac) ドライバに対応しているデバイスを強く推奨します。これらのドライバは、CPU への低負荷時においてレイテンシーを極めて低く抑えることができる為です。特に VST インストゥルメントを使用したり、ソフトウェア経由でレコーディング中のオーディオをモニタリングする場合などには、レイテンシーを数ミリ秒以下に設定しないと実際の音と発音タイミングにズレが生じ、うまく作業を進めることができません。例えば 1.5 ミリ秒という、極めて低いレイテンシーを実現するには、良く構成された高性能システムと同様に、オーディオ デバイスと、そのドライバの性能もトータルで構築されている必要があります。
グラフィックカード
互換性のないグラフィックカード用ドライバに悩まされることはもうありません。現在、主要なグラフィックカード メーカー (nVidia 、ATI 、Matrox) から安定したドライバが提供されています。Matrox 社からは、2 台、3 台、あるいはそれ以上のモニターに 1 枚のグラフィックカードから出力可能なマルチモニター用のグラフィックカードがリリースされています。2 台のモニターでプロジェクトの作業を行いながら、グラフィック カードの 3 つ目の出力から他のモニターやテレビ モニターなどへビデオ出力し、フルスクリーンで表示することができるようになるなど、非常に使い勝手が向上しています。
Apple コンピュータ用のオペレーティング システム
一般的には最新の Apple の Mac OS バージョンを推奨しています。各製品の動作環境に特別な表記がない限り、現在の Steinberg 製品は最新の Mac OS X バージョンとより良い互換性があります。
PC システム用のオペレーティング システム
現在出荷している Steinberg 製品は Windows XP Professional、または Windows XP Home Edition 以降のシステムで動作します。可能な限り SP2 (サービスパック 2) にアップデートした状態でご使用ください。また、Windows XP Media Center、Tablet PC Edition、Windows Server System には公式対応しておりませんのでご注意くださいますようお願いいたします。動作環境にサポート OS として記載されている特定の製品を除き、Windows 2000 に関しては動作保証を終了しております。また、Windows XP 64 bit についても、現在公式にはサポートしておりません。
Windows Vista との互換性について
Steinberg 製品のいくつかは、Windows Vista 64 bit への対応を実現しました。Vista 64 bit では、4GB 以上のメモリ領域を使用することができるようになっています (32bit OS では OS の制限により 2GB のメモリ領域まで対応)。これにより、Nuendo 4.x、Cubase (Studio) 4.x は増大したメモリ アドレッシングの恩恵を受けますが、その他オーディオ アプリケーションとしての性能は、32 bit OS での使用に比べ特に違いはありません。詳しくは、こちらをご参照ください。
