Steinberg のテクノロジー

1984年の設立以来、Steinberg はデジタルオーディオの可能性を絶え間なく押し広げてきました。高い柔軟性を持ち、費用対効果に優れ、容易に扱える革新的技術の数々。世界中のプロダクション環境で使われ、音楽創造の可能性をさらに高め続けています。

VST: バーチャルインストゥルメント&エフェクトをシームレスに統合

Virtual Studio Technology (VST) は、デジタルオーディオにおける革命に他なりません。Steinberg が開発し1996年に発表した VST は、フルスペックのプロフェッショナルなスタジオ環境を Windows や macOS コンピューター上のデジタルオーディオ環境で再現します。
VST により、バーチャルエフェクトプロセッサー (VSTfx) やバーチャルインストゥルメント (VSTi) をデジタルオーディオ環境に統合することができます。既存のハードウェアエフェクトや楽器をソフトウェア上で再現すること、および全く新しいクリエイティブなエフェクトやインストゥルメントを VST システム上で生み出すことの両方が可能であり、いずれの場合もホストアプリケーションにシームレスに一体化することができます。これらの接続はバーチャルであるため、散乱しがちなオーディオケーブルや MIDI ケーブルも不要です。VSTi や VSTfx の機能はすべて直接制御可能であり、また外部のハードウェアデバイスを用いても簡単にコントロールできます。
オープンスタンダードである VST は、Steinberg をはじめ世界中のサードパーティーによってコンスタントに発展を続けています。

ASIO: ローレイテンシー&ハイパフォーマンスのオーディオドライバー規格

Audio Stream Input / Output (ASIO) は、VST のバックボーンを形成するテクノロジーです。可変ビット、ハイサンプリングレート、マルチチャンネルのオペレーションと同期に対応するオーディオドライバーのプロトコルであり、これに対応したハードウェアとの組み合わせにより、ユーザーはローレイテンシーかつハイパフォーマンス、簡単な設定と安定性を兼ね備えたオーディオ録音環境を得ることができます。ASIO は業界標準のドライバーとして地位を確立しており、さまざまなオーディオハードウェアメーカーから対応製品が発売されています。

VST System Link: サンプル精度の同期システム

ADAT、TDIF、AES/EBU、S/PDIF などの標準的なデジタルオーディオ接続方式を利用して、複数の互換ソフトウェアおよびハードウェアを、同期 / トランスポート制御したり、オーディオデータの転送を行なうことができます。オーディオストリームそのものを使用するため、複数のワークステーションをサンプル精度で同期することが可能です。
* ワークステーション同士のロックアップに関してはニアサンプル精度で行なわれます。

Note Expression: 革命的なコントローラーデータ編集

MIDI の制限は、コントローラー情報の特性に起因していました。ポリプレッシャー(ポリフォニックアフタータッチ)などの例外を除き、モジュレーション、ピッチベンド、チャンネルメッセージなどのコントローラー信号はチャンネル単位の信号であり、一つのノートに対するアーティキュレーションデータは同じトラック / チャンネルで同時に鳴る他のノートにも影響を与えていました。
VST 3 テクノロジーにより、Steinberg の Note Expression はこのような MIDI コントローラー情報の限界を突破しました。"VST 3 コントローラー" イベントにより、ポリフォニックのMIDI ノートイベントに対しても個別にアーティキュレーション信号を送ることができます。これによってたとえば、ギターコードのトップノートにだけチョーキングを加えたり、同様の楽器を用いつつも複数の演奏家たちの情感や個性が溶け合う、実際のストリングスアンサンブルに迫ることが可能です。

SMuFL: 楽譜記号のマッピング規格

Steinberg が提唱し、現在は W3C Music Notation Community が発展させている Standard Music Font Layout (SMuFL) は、現代の楽譜表記において必要とされる数千もの音楽記号をフォントにマッピングするための標準規格です。Unicode の基本多言語面における私用領域を用いて、一つの(フォーマットに依存しない)フォントに組み込む仕組みです。SMuFL は西洋音楽の記譜法における2,400以上の個別の記号を108に区分し、記号を使った楽譜表示(DAW や楽譜作成ソフトウェアなど)や、テキストベースのアプリケーション(ワードプロセッサーやページレイアウトツールなど)での表示におけるデザインや使用フォントのガイドラインを規定します。Steinberg はまた、完全なリファレンスとなるフォントファミリー Bravura を作成し、Open Font License の元でライセンスしています。