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上野圭市氏のプライベートスタジオ honeyhunter を訪問

聞き手:ヤマハ株式会社 青木インストラクター

 

Q. 上野さんが今手がけられているような音楽をはじめられたきっかけは何ですか?
ある日、ディスコに行ったんですが、可愛い女の子達がディスコ音楽で踊ってたんですね。それまでブリブリのロックしかやっていなかったので全然もてなかったんよ(笑)。綺麗なお姉さんがこの世界に集まるって分かったので(笑)、それ以来、ダンスミュージックしかやってないですね。1984年のことですね。

Q. いきなり来ましたね(笑)。
でもね僕、最初から Cubase 使って音楽やってたんですよ。1989年から Cubase 2.0 を使ってました。

Q. 今日は、その辺りのお話を聞かせていただくために来ました(笑)。
当時は凄いバカにされたのよ、ATARI と Cubase で音楽やってるって言うと。でも当時は ATARI が最速だった。Mac よりも全然早かったんです。それに止まらなかったなぁ。Mac と他のソフトの組み合わせだと、よく固まってた(笑)。

Q. そもそも、Cubase を選んだ理由は何だったんですか?
横スクロール!横スクロールは Steinberg の発明なのよ。その後のソフトはみんな真似してた。アレンジャー同士で「どんなソフトがいい?」とか話をすると、「どれも Cubase の真似だ」なんて言うとみんな黙ってたもん(笑)。

Q. ちなみに、Cubase はバージョンアップを繰り返されていたんですか?
いや、世の中はバージョン3になって、ロンドンで活躍している友達のヒラタトモキ君は3にアップしてましたが、僕は ATARI と Cubase 2.0 のまま98年くらいまで使い続けてましたね。

 

Q. 1998年まで?!
1998年から2000年くらいまでは、Mac と Cubase VST4 とか VST5 とかで使ってましたが、あまり良い思い出はないですね(笑)。なので、つい5年前くらいまでは、ATARI と Cubase 2.0 の組み合わせを並行して使ってました。

Q. 5年前?!
なぜかって言うと、MIDI はそっちの方が早い。独特の揺れも良かった。あと本当に安定してたね。僕に言わせれば、1989年の Cubase 2.0 で既に完成していた。Cubase SX になるまでは、僕にとっては ATARI の Cubase の方が勝ってた。まわりには凄くバカにされましたね。そんな時は「いいんだよ、これ使っても売れてるもん!」って言ってやってたよ、少々反省してるけど(笑)。だけど、アメリカ人も ATARI と Cubase を使い続けてた人は多かったですよ。

Q. ATARI から Windows へ完全移行された理由は何だったんですか?
2004年くらいに、Nuendo 掲示板ってものがあって、モーニング娘とか手がけていた 鈴木 Daichi さんが色々情報を書き込んでくれててね、安定して使えるって。それで、秋葉原のクリエーターズランドで Windows マシンを組んでもらったんです。そこからは、Cubase SX3、Cubase 4、Cubase 5 とアップして、今に至る訳です。

 

Q. Cubase 5 はどうですか?
VariAudio は便利ですね。外部プラグインも気に入って使ってる。今は9割くらい、ここのスタジオで完結することが多いんですが、外のスタジオにデータを持っていく際、マルチチャンネルエクスポートはフル活用しています。一発ポン出しですからね。あと、ビデオエンジンが強化されましたよね、CM 音楽の時にはビデオトラックに映像を読み込んで快適に動作しますよ。もちろん、最新の ver.5.5にアップデートしています。

 
 

Q. ハードウェアシンセが目立ちますね。
これでも大分減らしたんですけど、プリセットで重宝しているものがあってね。この間、MIDI MINI って音源を売ってしまって、Arturia のソフトシンセに置き換えたりしましたね。でも、やっぱりハードならではの良さはありますけどね。ツマミで音作りするのが早い。DX7 は今でも手放せません。長年付き添った楽器って手放せないんですけど、若手のアレンジャーがここに来たりすると「未練がましいなぁ」なんて言うわけよ(笑)。

Q. 今のプロジェクトですと、音源はやっぱりソフトシンセが多いですか?
9割以上ソフトシンセですね。ほとんどハードから置き換えが効いていますね。ギターは弾きますけどね。あと、EastWest のオーケストラ系は音がいいっすよ。ハリウッド映画でみんな使ってますね。あと、HALion 2 を使ってます。AKAI から音色を移植して使っていますね。

 

Q. コンピューターのスペックを教えていただけますか?
OS は Windows XP で CPU は Core 2 Quad、RAM は 2GB ですね。まだ 32bit 環境です。ノート PC は Windows 7 を持っているんですけどね。

Q. オーディオインターフェースは何ですか?
RME の Multiface AE です。マルチケーブルで Mackie のミキサーと接続しています。これも付き合い長いんですよ。

Q. 歌もここで録られるんですか?
はい、ここで録ってしまうことも多いですね。近くのオンエアっていうスタジオを使うこともありますが、予算にも拠りますね。

 

Q. 昔と比べて作業時間は短くなりましたか?
いや、長くなったね。僕は1990年代後半から2000年代前半を「過渡期」と呼んでるんだけど、コンピューターで音楽作っているミュージシャンが、ボーカル修正など Audio まで扱えるようになって、エンジニアの領域まで担当することになった。できること、求められることが多くなって、結局時間はかかってしまうんです。でも、確実に作業効率は上がってる。

Q. ちなみに、こんな製品があれば、というご要望はありますか?
入力鍵盤かな。鍵盤に限らず入力環境が変わるセンセーションを期待しますね。ガッチャンってできる凄い大きなレバーとか(笑)。

Q. 最後になりますが、スタインバーグに対して何か一言いただけますか?
ヤマハが Steinberg を扱ってくれて嬉しい。昔は Cubase ってスラングに近いものがあったけど(笑)、標準語になりました。まわりにユーザーも増えてきてほんと助かっています。

そう言っていただけると嬉しいですね。今日はどうもありがとうございました。

 

 
 

<プロフィール>
作/編曲家/作詞家。安室奈美恵、Boa、Max、美川憲一、ジェロ、島谷ひとみ、AAA、V6、J-Friends、松浦亜弥、安倍なつみ、安良城紅、小比類巻かほる等を手掛け、数々のNo.1ヒットを持つ。映画や TV/FM 局、国内外の TVCF、ゲーム、ファッションショーやモーターショーの音楽も数多く手掛けている。また、Dazzle-T&Quicky として emotif や Bluenote、IRMA などのレーベルからリリース多数。Incognito や United Future Organization のリミックスなども手掛ける。最近は来年発売予定の2ndアルバムの準備などもしつつ、香港・韓国のポップシーンに進出中。

 
 

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